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  1. 岐阜県議会 1990-06-01
    06月28日-03号


    取得元: 岐阜県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成 2年  6月 定例会(第3回) △議事日程                 平成二年六月二十八日(木)午前十時開議 第 一   議第六十二号から議第七十五号まで 第 二   請願第四十一号から請願第五十三号まで 第 三   一般質問         ………………………………………………… △本日の会議に付した事件  一  日程第一  議第六十二号から議第七十五号まで 一  日程第二  請願第四十一号から請願第五十三号まで 一  日程第三  一般質問          ………………………………………………… △出席議員                 四十四 人 一  番   不破照子君 二  番   渡辺儀造君 三  番   河合正智君 五  番   高井節夫君 六  番   水野正夫君 七  番   岩井豊太郎君 八  番   渡辺信行君 九  番   小川 豊君 十  番   安藤通廣君 十一 番   伊藤延秀君 十二 番   山田 桂君 十三 番   近松武弘君 十四 番   小山興治君 十五 番   山下運平君 十六 番   中村利兵衞君 十七 番   山口三男君 十八 番   山田忠雄君 十九 番   宮嶋和弘君 二十 番   杉山友一君 二十一番   白橋国弘君 二十二番   森  真君 二十三番   片桐義之君 二十四番   馬渕武臣君 二十五番   田口淳二君 二十六番   加藤利徳君 二十七番   殿地 昇君 二十八番   中本貞実君 二十九番   高田藤市君 三十 番   鳩谷 斉君 三十一番   坂 志郎君 三十四番   笠原潤一君 三十五番   塚本佳和君 三十七番   古川利雄君 三十八番   今井田 清君 四十 番   浅野庄一君 四十一番   猫田 孝君 四十四番   岩崎昭弥君 四十六番   河村成勝君 四十七番   酒井公雄君 四十八番   木村 建君 四十九番   青山正吾君 五十 番   米野義久君 五十一番   松永清蔵君 五十三番   古田 好君 △欠席議員        四人 三十六番   新藤秀逸君 四十三番   杉本武夫君 四十五番   船戸行雄君 五十二番   伊藤 薫君          ………………………………………………… △職務のため出席した事務局職員の職氏名  事務局長         西本徹雄 事務局次長        大竹寿生 議事調査課長       幸脇 弘 議事調査課総括課長補佐  足立富夫 議事調査課長補佐     高橋壽郎 議事調査課長補佐     小澤和夫 議事調査課長補佐     別宮英夫 議事調査課長補佐     福田照行 議事調査課長補佐     田中長雄 主         査  安藤 純 主         査  岡部 修 主         査  浅井広明 主         任  阿部 繁 主         事  向井俊貴          ………………………………………………… △説明のため出席した者の職氏名  知事             梶原 拓君 副知事            秋本敏文君 出納長            土屋文男君 総務部長           永倉八郎君 知事室長兼総務部次長     古屋利男君 総務部次長          高井正文君 企画部長           山田賢一君 地域振興局長兼企画部次長   横倉脩嗣君 企画部次長          青木栄二君 民生部長           桑田宜典君 民生部次長          春日井啓介君 衛生環境部長         井口恒男君 衛生環境部次長        川島光雄君 商工労働部長         川添正幸君 商工労働部次長        上水流則男君 商工労働部次長        服部和良君 農政部長           名知和男君 農政部次長          柳原 伸君 林政部長           伊藤邦昭君 林政部次長          村瀬正治君 土木部長           山岸俊之君 土木部都市住宅局長      飯島平昭君 土木部次長          黒木真一君 土木部次長兼都市住宅局次長  岩垣儀一君 開発企業局長         藤田幸也君 開発企業局次長        渡部 忠君 選挙管理委員会委員長     宮川晴男君 人事委員会事務局長      飯田正樹君 代表監査委員         奥田英幸君 監査委員事務局長       岩砂 仁君 地方労働委員会事務局長    菊谷光重君 教育委員会委員長       杉山悠紀子君 職務代理者委員 教育長            篠田幸雄君 教育次長           竹中寿一君 教育委員会管理部長      廣瀬 寛君 警察本部長          遠藤豊孝君 警察本部総務室長       熊崎徳金君 △六月二十八日午前十時十三分開議 ○議長(河村成勝君) ただいまから本日の会議を開きます。          …………………………………………………… ○議長(河村成勝君) 日程第一及び第二を一括議題といたします。          …………………………………………………… ○議長(河村成勝君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案の質疑を行います。  発言の通告がありますので、順次発言を許します。十九番 宮嶋和弘君。    〔十九番 宮嶋和弘君登壇〕(拍手) ◆十九番(宮嶋和弘君) 発言のお許しをいただきまして、ここにパネルで掲げましたように、(資料を示す)仮称岐阜多治見駅をただいまから出発をいたしまして、中央リニアの新幹線に乗ってきまして、三十分間東京駅までひとつ御辛抱いただきながら、私は、東海環状鉄道構想並びにリニアの新幹線の停車駅、そして、また地価の抑制対策並びに公共用地の取得対策につきまして、三点につきまして御質問を申し上げたいと存じます。 さて、三月の県議会において成立をいたしました平成二年度の当初予算は、一九九〇年代の第一歩の予算として位置づけされ、この予算を通して、県民総参加で未来のふるさと岐阜づくりに取り組まれている梶原県政の積極的な姿勢に対しまして敬意を表する次第であります。知事が当初予算で「近き者説べば、遠き者来たらん」と、こういう論語の一節を引用されまして、ここにも掲げましたように「夢おこし、みんなでつくる日本一住みよいふるさと岐阜」と、こういうことでそれぞれの内容をもって、要諦を押さえて、今日まで着実なる御実績を上げてこられました。こうした中に、新しい時代の行政が、変わりつつある岐阜県政の大きなうねりの一端を見る思いがいたしておりますのは、私一人のみではないと思います。 こうした政治哲学のもとで、右のあらわれとして、近き者同士ともに説び一丸となって取り組む、明日を見つめ未来へはばたく、輝く未来の岐阜県づくりでなければならないのですが、現実には東濃路と県都岐阜とのつながり、結びつきが進められておりますけれども弱く、ともに近き者として説べない懸案事項も多い現状であることも事実なのでございます。この地域の、いわゆる東濃地域の一般住民の方々の県都岐阜との交流は驚くほど少なく、岐阜市へ一度も行ったことがないという人が意外に多いのでございます。岐阜へ行ったという人でも、子供のころの遠足やスポーツ大会に参加したとか、あるいは県庁へ用事があって行ったといった程度の方が多いと言われております。しかし、県都岐阜を中心に輝く未来の岐阜県づくりが進められており、すばらしい美術館やメモリアルセンター等、全国的にも有数な文化・体育・イベント施設などが着々と完成を見つつあります。 こうした施設を中心に、世界の一流ふれあい広場・岐阜などの事業が展開をされ、世界的なすばらしい音楽家、超一流のスポーツ選手、著明な科学者などを招いた夢のある交流事業、イベントなどが行われているところであります。ところが、東濃路の人々にとりましては、愛知県、名古屋市のもう一つ向こうの催し事であるような感じを抱く方が多く、何ゆえわずか五十キロ足らずの距離圏にありながら、結びつきが弱いのかと考えてみると、岐阜県下で同じような距離圏にある市町村においては、主要な交通幹線は県都岐阜を中心に直接結ばれており、地元圏域から次の交流ステップは、県都岐阜がキーステーションになっているようでございますが、東濃路は名古屋がキーステーション化しているのであります。東濃路が地理的にも経済的にも名古屋圏との結びつきが強い現実を踏まえ、名古屋圏の吸引力が強い県境にあるからこそ、県都岐阜とのつながりを他地域よりも以上に意識した施策が講じられなければならないと思うのであります。 さて、そういう意味で、この図面を見ていただきますように、まずJRの総合企画部で私が調べてきた数値を、このパネルでもってあらわしたわけでございますが、丸い円形の大きさは人口をあらわして書いたわけでございますし、それから、人間の数あるいは背の高さ、これは各駅の乗車数でございます。それからまた、この鉄道の太さは、何本走っとるかというダイヤの本数をあらわした数でございます。それを見ますと、円形はもちろん、まず名古屋から行きますと、二百十四万人の中で一日に、あの背の高い人が五万人をあらわしている一人ですから、五万に次の背の高さが一万、一万ですから、八万六千六百五十九人というのがこれ昭和六十三年度の統計でございますけれども、そんな数字でございます。ただ、私どもの県都岐阜の駅の乗車は、四十万四千の岐阜市にとりましては意外に少ない一万八千四百六十九人と、こういう数字なんですね。 それで、美濃加茂のいわゆる太田駅ですが、四万二千の美濃加茂市にとりましては、二千九百三十七人というと三千人切れております。それから、多治見駅が九万四千という町にとりましては一万六千二十三人と、意外にこうして見ますと、人口の比率からいって、岐阜の四分の一を満たさぬ多治見が、たった岐阜とは二千四百三十九人の差しかないということになっておりますが、これはやはり名鉄線の乗り入れということで、岐阜からいかに名鉄に乗り込んでみえるかという数字も申し上げますと、名鉄さんの方が七万三千人も乗せているということで、やっぱり経営的な内容もJRと名鉄との差もはっきりと出とるなというようなことも言えるわけでございますけれども。 そういうことで、意外に多治見から乗車数が多いということは、考えてみますと、県外にそれだけは働きにお出になるということで、多治見市の就労人口の三割に近い方が名古屋圏に通勤をしている地域でありまして、市内の大規模団地におきましては、全国各地の出身の中堅サラリーマン家族が住んでおりまして、小学校の新設とか増築に追われているいわゆる私どもの多治見は、若い町なのであります。また、裏を返せば県外への結びつきは強く、岐阜県を広く県外に向けて毎日PRをしていただいておるというような、大きな岐阜県の窓口でもあるわけでございます。こうした人々に、名古屋市多治見町でなく、岐阜県人としての意識を持ってもらうには、岐阜のよさや東濃路らしさを引き出した地域づくりや、C・Iの確立に取り組むことが必要であると思うのであります。そして、県都岐阜との接近、交流を深める活動の創出を考えるべきであろうかと思います。それには、東濃路と県都岐阜との物理的、精神的な接近手段を講ずることが急務であり、まず、そのためには交通網の整備が先決であることは、衆目の一致するところでございます。 現在この地域の交通網は、ごらんをいただきますように県都岐阜に向かって、多治見から言いますとこれを南北の線と言いますが、岐阜からいくと東西とおっしゃるが、私どもは南北の線が太多線、そしてまた高山線ということで乗りかえながら岐阜へ、そして、また百四十八号を通って二十一号を通って岐阜へという路線、そして、また将来には東海環状道路というものが入りますから、大変大きな変革が予測をされるわけでございますが、ところが、名古屋との結びつきというのは、やっぱりJRの中央線、そしてまた十九号と、それから三百六十三と、こういうことで直結をいたす東西の線は非常に太いわけでございまして、また、そこへ今度は中央リニアが入ってくるということが予測をされるわけでございますから、特にそういうことになりますと、中央新幹線と、アクセスとしての県全体の基本的な鉄道整備の観点から、いろいろと整備をする必要があるというふうに思うわけでございます。 先ほど申し上げましたように、平成二年の春にダイヤの改正があったんですね。そして、ダイヤの改正がありまして、特にそんなようなことも考慮をいただきながら、運動していただきながら、多治見、県都岐阜までの直通の太多線、高山線と通ずる直通の列車も、十七本ふやしていただいたんですね。そういうことで新設をしていただいたと、こういうような施しもしていただきましたが、しかし、単線ということで、ただ車が追い抜かないというだけで、待合時間が長いときには三十分から二十分というような、乗り継ぎはしないけれどもやっぱり単線ということで、そのような配慮をいただいたんだけどもなお不便な状態にありまして、現在太さの細いように太多線が三十一本と、それから高山線は二十七本というような状況下になっております。しかし、一方先ほどの中央線になりますと、多治見からは百本余出ておるわけでございます。そういうことで、多治見の五割増しが東海道線で百五十本ということで、太さがうんと太くなっております。 そういうことで、東濃地方からは、岐阜に行く場合名古屋を経由しなければならない不便さも、そういう意味からいって多いわけでございます。岐阜市、美濃加茂市、多治見市及び名古屋市を経由をして、この沿線を総トータルしますと百十四キロあるわけでございます。そういうことで高山本線、太多線、中央本線、そして、また東海道本線の四本の鉄道の整備が行われた環状をつくることになりますれば、東濃地域にとりましては、多治見駅をキーステーションといたしまして、岐阜地域や西濃地域等への利便性が向上するばかりではなく、地域相互の結びつきの強化、ひいては県下全体の産業経済の発展につながるものと確信をいたします。二十一世紀における本県の交通体系上の根幹をなしますところのリニア中央新幹線の建設とあわせまして、東海環状鉄道整備の四線の一体化の促進にどのように対応され、これから進められていただけるか、知事に御所見を承りたいと存じます。 次に、先ほど来申し上げておりますリニアの中央新幹線の県内停車駅につきましてお尋ねをいたします。 かねて県におきましては、中央新幹線建設促進の立場から、県と五十の市町村で構成をされておりますところのリニア中央エクスプレス建設促進岐阜県期成同盟会を通じまして、今日まで積極的に進められてきております。そういうことで、昨年六月十二日に中津川の文化会館におきましてその定期総会が行われ、その際要望決議が行われたんです。その要望決議のまず一番目にうたったのが、全区間にわたる調査の実施と整備計画の早急な決定並びに決定に当たっては、走行方式を超電導の磁気浮上式リニアモーターカーにするというのが一つ、二つ目には、県内ルートを中央本線沿いに建設し二駅を設置することと、そして、三つ目には、実験線を予定ルート上に建設することと、以上三つを決議をいたしておるわけでございます。 さて、昨年のこの大会以後、国の流れは非常に変わってきておりまして、昨年八月には、リニアの実験線の建設地が山梨県に決定をいたしたということ、そして、また、その年の昨年十二月には、山梨県の実験線にまつわる建設関係費七十二億円が、平成二年度政府予算案に盛り込まれました。また、ことしになりまして、一月にはJR東海においては、約五十人の技術者から成るリニア・プロジェクトというチームが発足をいたしまして、二月には運輸省からJR東海及び鉄建公団に対しまして、中央新幹線の全線調査の指示がなされたところであります。平成二年度政府予算が成立をいたしました翌日の今月の八日には、山梨実験線のうち、今回四十二・八キロメートルのルートが公表をされたということで、年内にも着工をいたすという運びになったのであります。 こうして見ますと、リニア新幹線のこの一年間の動きというのは、大変早いスピードで、早いテンポで、本当に加速的に進展をしてまいったわけでございます。そういうところでこのリニア中央新幹線が、いよいよ実験に向かって大きく一歩を踏み出したことを考えてみますと、昨年の要望事項の二番目にあります県内の二駅の設置についてであります。 御承知のように、県内ルートは、あの中津川から多治見まで、いわゆる岐阜県の中の距離は、ただいまの中央線の距離をはかっても四十三・七キロと書いてありますが、四十三・七、いわゆる四十キロそこそこということでありますが、現在の東海道新幹線のこだまでも最低三十キロで駅が確保されていると、そういう状況でありますが、超高速のこんな五百キロも走るという運行を命としておる新幹線リニアが、果たしてこの短い距離で二つつくれるのかというようなことは、遠い将来の夢の物語でもない、現実にここまで来た以上は、もっと具体的な要望をすべきでなかろうかと思うのであります。JR東海が言っているように、ルートの県内通過と駅の設置は一体のものと考えなければならない。また、東京のJRの中央リニア関係の方々の話によりますと、最低五十キロの区間を持った停車であろうというような話も出ております。この際県といたしましては、二駅設置にこだわるということじゃなくして、中央沿線の県内ルートの確保を最大の目標として、加えて全線の調査指示を受けたJR東海あるいは鉄建公団に協力をいたして、そして、また想定されますところの県内ルートの周辺の乱開発や地価の高騰というものを、既に防止をいたす施策を講ずるべきではなかろうかと、こんなふうに思います。県としては、国に対しまして、あるいはJRや鉄建公団に対しまして、説得力のある体制を固めて臨むべきではないかというふうに思いますが、知事のお考えのほどをお聞かせをいただきたいと存じます。 さて、次に、いろいろとプロジェクトも申し上げ、昨日から出ております内容の中で、やっぱり用地なくしてはどんな事業もできません。社会資本の充実も図れません。そういう意味で、地価の抑制と公共用地の取得対策についてお尋ねをいたしたいと思います。 社会資本の整備充実に取り組むということには、何をさておいても、用地なくしてはどんな夢も実現をいたさないわけでございますから、土地が確保できれば、もう事業は終わったと言っても言い過ぎではないわけであります。本県につきましては、今、大型な、あるいは大規模な用地取得を伴うプロジェクトがたくさん続いております。現在事業が推進中の東海北陸自動車道路を初めとして、各地の国道バイパス計画道路改良事業、そしてまた河川改修事業、さらには五月二十八日に中心ぐいのくい打ち式が行われた東海環状自動車道路など、いずれも大々的な用地取得を要するものばかりでございます。また、知事さんが提唱しておられます夢おこし県政の目玉事業というべき平成記念緑のふれ愛広場、ソフトピア・ジャパン、ふれ愛センターなど新規事業も、大規模な用地の取得を伴うものでございます。 ところが今、地価の異常高騰という土地事情が公共事業の取得にも深刻な影響を投げかけておることは、御承知のとおりでございます。例えば一例を申し上げますと、バイパス計画で用地買収に入っておったんですが、ある金融機関が、支店を開設するという目的で、その近くに用地を高い値で買ってしまったということで、バイパス計画の方は予算額を大幅に超えるといったことで、用地買収が不能になってしまったというような例もあります。このようなケースは、国土利用法の届け出制度があるにもかかわらず、届け出面積に満たなかったということで監視の目が届かなかったわけであります。しかし、そういうようなことから、四月から国土利用法の届け出対象面積を大幅に広げていただいて、昨日も近松議員がおっしゃったように、そのような監視区域を拡大をして地価の高騰を抑えるということで、岐阜や大垣や多治見、可児市といった、ほぼ全域にわたりまして監視の目を強化してくださったわけでございます。最近の金余り現象や一部の者の投機買い等による地価の高騰は、本当に目に余るものがありまして、今後の動向いかんでは、地価高騰によりまして公共サービスそのものができなくなってしまうというおそれすらあるではないかと危惧いたすわけでございます。したがいまして、今後、国土利用計画法の運用を中心とした厳正な地価抑制策が切に望まれるところでありますが、現今の事情を踏まえて、いかがお考えのほどかお伺いをいたします。 さて、私は、公共用地の取得を促進するためには、地価抑制策を進めるとともに公共用地の取得体制、いわゆる用地課の地位の向上とか、あるいは部長同等職の人事の配置転換をするというようなことが重要じゃないかと、こんなふうに思いまして、公共事業の整備促進を図る観点から、総務部長、土木部長、そして開発企業局長にお尋ねをいたしたいと存じます。 最近の地価高騰による地権者の権利意識というものも非常に高まり、あるいは環境問題や地域整備への意識も高まりまして、土木部所管事業の用地取得はますます困難になっております。地価の高騰により土地の資産価値が高くなったために、土地のままで資産を保有したいという傾向が非常に高く、用地買収をお願いをいたしますとすぐに替え地をくださいと、こういうふうに要求されます。替え地を今度また購入しようとしてそこへも参りますと、また替え地をくださいと、こういうぐあいに、地価の高騰とともに代替地要求が大きなネックに現在はなっているようでございます。 昭和六十三年度に建設省から、直轄事業について各地方建設局の直買方式による用地買収実施計画についての予算の裏づけはしたんですけれども、地権者や住民の調整が困難で、用地が取得できなかったという、いわゆる隘路率と言っておりますけれどもその隘路の内容を調べてみますと、道路について計画箇所が、まず二千三百五十八カ所のうちで六百十八カ所もできなかったと、いわゆる隘路率二六%。それから、河川について申し上げますと、計画箇所が七百四十七カ所のうちで二百四十五カ所もできなかったという、隘路率が三三%。もう三分の一は仕事ができないと、こんな状態の数字が出ておりまして、道路、河川ともに、非常に用地の取得が、あるいは見通しが立たない割合が高い隘路率の状況になっているようでございます。隘路率の内容は、道路、河川ともに価額の不満と、代替地の要求と、代替地の取得困難がその原因の多くを占めておるわけでございます。そこで、土木部所管の場合は、県においてはどんな実態であるか、とりわけ六十三年度、それから平成元年度について、用地取得実施の計画に対して用地の取得の見通しの立たなかった、あるいは処理、変更等の状況についてお尋ねをいたしておきます。 次に、近年用地取得事業は、公共事業の大規模化に伴いまして物件の調査とか評価とか、あるいは補償額の算定並びに交渉といった用地の取得契約にとどまらず、事業損失の処理、いわゆる被補償者の生活再建対策など幅広い分野にわたる業務が要求をされております。そういうところで土木部の所管事業の場合は、各土木事務所の用地課が用地取得業務の推進母体になっておみえになります。事業量の拡大に対しまして、用地担当の職員の増員は思うように進まず、専門的な知識や技術を有する職員も、相対的に不足をしているのが実情であろうと思います。私は、このように限られた予算や用地職員の制約の中で、公共用地取得事業を円滑に進めるためには、民間の補償コンサルタントなどに対しましてできるだけ業務委託を促進すること、用地職員の専門化を図ること、さらには、職員のやる気を奮起するために士気の高揚策を図ること、また高度情報化社会にふさわしい用地補償業務の確立など、組織体制の全般的な見直しが重要であると考えるのであります。業務の外注化につきましては、最近の補償コンサルタント、あるいは補償コンサルタントなどの民間の業者も育成をされております。あるいはまた、用地の測量、物件調査、鑑定評価等の補償額の算出などにつきましても、それなりに対応が進められると思いますが、この面の実態といいますか、外注化がどの程度進んでいるか、二点としてお伺いをいたします。 次に、かねて土木事務所の用地課の職員の皆様に大変敬意を表しておりますけれども、対外交渉という県の行政事務の中では特殊な業務であり、しかも、土木行政の中では、工務関係に比べまして地味な裏方の業務であります。また、交渉は、今日では夜間に重点を置かざるを得ず、また年度末ともなれば夜間交渉で疲労こんぱいの日々が続き、ノイローゼという不幸にして過去には犠牲者を出したこともあったようでございます。一方、用地取得業務には、専門的な知識、技能が不可欠であります。建設省などの場合は、役所の性格から技術職員は工務、事務職員は用地が管理部門ということで、用地部門の職員は長年その道に従事することになり、専門家として養成をされていることになりますが、県の場合は行政の窓口が広いということでそんなわけにはまいりませんが、一般的に事務職員は三年か四年で他の部局へ転出する割合が高く、専門化が容易でないという面が見られます。もっとも中には、その道でベテランの方もお見えになりますけれども、一般的に県職員の間では、用地課は大変だというのが、偽らざる現状であるようでございます。それでは、専門職の養成どころか、用地取得事業自体にも支障を来すことになろうと思うわけであります。 私は、公共用地の取得業務の重要性にかんがみますと、用地職員を定着させ、専門化を図り、進んで用地業務を希望するような士気の高揚を図る施策をつくることが重要であると考えます。知事さんも土木部長さんも建設省の御出身でございますから、よく御承知のとおり、建設省では工事事務所の用地課長を管理職として重要ポストにしております。地方建設局におきましては、必ず用地部長を配置し、用地部門を重要視しているように、県でも、土木部門でのウエートを示す用地部門の組織体制を強化することによりまして、用地業務の重要性を内外に向けて明らかにいたしながら、人づくりと職員のやる気おこしを図ることが必要であると考えますので、人事の構成問題でありますので、総務部長にお尋ねをいたしておきます。 四点目、高度情報化が進みますと、県の行政につきましても、各分野にわたりましてコンピューターによる情報処理業務が進められておりますことは、御承知のとおりでございますが、私は、用地補償の面についても、もっとそういうふうにたくさんの観点に立ったデータベースなどを活用していただくことが、極めて大切であろうということでございますので、用地事務におきまして、その積極的な対応は必要と考えますので、土木部長にお尋ねをいたしておきます。 次に、社会資本の整備を促進するためには、やっぱり公共用地のストックの確保をしなければならないということで、このストックをいかに進めていくかというようなことは、昭和四十七年に制定されました法律で「公有地の拡大の推進に関する法律」ということで、公有地拡大法がつくられたわけでございまして、これをフルに活用しながら進められていくべき先買い補充をいたすということが、やっぱり土地開発公社の仕事ではないかと思います。どこやらのような公社では困りますけれども、都市計画施設予定地や、都市計画区域内の一定要件の土地につきまして、民間取引に先立って地方自治体の先買い交渉権を認めたものでありますから、積極的に公共用地のストックの確保を進めていただきたいということで、土地開発公社のただいまの公有地のどのくらい申し出件数やら面積につきまして買い取りがあるか、御事情をお聞かせいただきたいと思います。また、開発公社におきましても、公有地の先行取得の実態というようなことで、開発企業局長にもお尋ねをいたして、以上三点につきまして御質問を申し上げました。よろしく御回答のほどをお願い申し上げまして、終わります。ありがとうございました。    (拍手) ○議長(河村成勝君) 知事 梶原 拓君。    〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 最初に、東海環状鉄道についてお答えを申し上げます。 議員御指摘のとおり、これまで東濃地域と岐阜市、あるいは西濃地域との連携が必ずしもよくなかったということでございます。道路交通においてしかり、ましてや鉄道交通においてしかりと、こういうことでございまして、特に鉄道につきましては、もう十年ちょっと前になりますけれども、高山本線、太多線の整備促進期成同盟会を設置しまして以来、当時の国鉄に強力に環状鉄道構想の実現について要請してきたところでございまして、その当時国鉄の幹部におきましては、大いに賛意を表してくれたわけでございます。その後行政改革等がございまして中断されておりましたが、ようやくJR東海も運営が軌道に乗ってまいりました。これから、構想の具体化をしていく段階に入ったというふうに感じておるわけでございます。特に、これまた議員も指摘されておられますけれども、リニア中央新幹線という構想が急速に具体化されつつあるわけでございます。このリニア新幹線の駅を県内につくるということももちろん大事でございますが、それを最も効果的に活用するということもさらに重要なことでございまして、そのためにはアクセスの整備ということでございます。東海環状自動車道の建設も進んでおりますが、鉄道によるアクセスも不可欠であろうというふうに思います。そういう意味で、この東海環状鉄道構想というものが、さらに重みを増してきたということでございます。 最近、そうした観点から、国やJR東海に対しまして重ねて要望してまいったところでございますが、本年 春のダイヤ改正におきまして、岐阜--多治見間の直通列車の運行、美濃太田--名古屋間におけるホームライナー、太多の導入、そういう形で一応の成果を見たわけでございます。当面さらにスピードアップと、運転回数の増加を図るということが必要でございまして、それには、やはり鉄道の行き違い施設の増設などが必要のようでございます。先般JR東海の須田社長にも直接お願いをいたしましたが、また、ちょうど本県から大野運輸大臣も誕生されたわけでございまして、大臣にも就任早々に、東海環状鉄道につきまして御要望申し上げたところでございます。そういう働きかけが徐々に実を結ぶというような期待をいたしておりますが、地元の皆様とともに、今後さらに強力に、この構想の実現に向かって努力をしたいと考えておる次第でございます。 次に、リニア中央新幹線の県内停車駅についてでございます。リニア中央新幹線につきましては、これも十年少し前でございますが、本県が中心になりまして、沿線九都府県で組織するリニア中央エクスプレス建設促進期成同盟会、そういうものを結成したわけでございます。会長は、愛知県知事さんにやっていただいておりますが、本県が、この運動の最先端を走ってきたわけでございます。そういう歴史を考えますと、このたび山梨県におきまして実験線ができると、そういう段階まで来たということにつきまして、感慨ひとしおのものがあるわけでございます。その上、余りこれは表に出ておりませんけれども、このリニア中央新幹線の運営主体というものが、この実験線の具体化とともにJR東海が中心になるということが明確になってきたということは、実績には大変大きな意味があるというふうに思います。この構想が早く実現するための土台ができたというように認識をいたしておるわけでございます。 県内停車駅の設置につきましては、議員から駅間の距離の問題とか、そういう技術面のお話もございました。私どもといたしましては、なるべく多くの停車駅を設けてもらうという方針で努力をしていきたいと思っております。東海道新幹線の際は弾丸列車ということで、大都市間を高速で結ぶことに焦点を絞っておりましたが、実際運行した結果、むしろ都市間の輸送の方が大事じゃないかということで、山陽新幹線におきましては、駅の間のピッチが大変短くなったわけでございます。そういうような歴史を振り返りますと、このリニア中央新幹線も、いわゆる弾丸列車ということで、東京、名古屋、大阪を結ぶと、こういう役割も大きいわけでございますが、東海道新幹線の機能が満杯になってきたと、こういうようなことなどを考えますと、やはり都市間輸送も新しいリニア中央新幹線で分担すると、そういう機能を持つということも当然期待していいのではないかというふうに思います。そうなりますと、駅間のピッチにつきましてもかなり短くてもいいのではないかと、そういう弾丸列車と都市間輸送と、こういう二面の機能をあわせ持つように、我々としても運動を進めていくという必要があるというふうに思います。したがって、当面二駅設置を目途に運動を展開していくつもりでございます。 そこで、御指摘のとおり、山梨県でもそうでございますが、このリニア中央新幹線の通過いたします周辺の土地につきまして、乱開発や地価高騰が懸念されるわけでございまして、駅の設置につきまして全く不透明でございますので、現在は、それほど大きな問題はないかもしれませんが、議員御提案のように、なるべく早く情報をつかみ、そして、その情報が明るみに出る前に、先行的に行政として土地対策の手を打つべきではないかと、かように思っておるわけでございまして、この点につきましては、今後慎重な配慮をしてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(河村成勝君) 総務部長 永倉八郎君。    〔総務部長 永倉八郎君登壇〕 ◎総務部長(永倉八郎君) 地価の抑制と公共用地取得対策のうち、用地業務に係る人事機構問題についてお答えします。 公共用地取得のための業務が、近年ますます複雑かつ困難となってきていること、また、用地関係職員が日夜懸命の努力をしていることは、議員御指摘のとおりであります。さらに、用地業務が公共事業を推進するに当たって極めて重要な業務であることも事実でございます。したがいまして、用地、立木等の買収または補償の交渉業務に従事する職員につきましては、従来から特殊勤務手当すなわち用地交渉手当を支給いたしまして、困難な勤務の特殊性を考慮しているところでありますが、今後とも勤務条件の改善に努力していきたいと、このように考えています。 また、議員御指摘の用地課職員の充実強化につきましては、今後も十分配意していきたいと考えており、できる限り土地に関する知識、経験の豊富な職員をそのセクションに充てるとともに、用地対策の研修を強化するなどの対応をとっていきたいと考えております。 なお、用地部門の組織体制につきましては、御指摘の趣旨を今後の行政組織を検討していく上で参考にさせていただきたいと、このように考えております。 ○議長(河村成勝君) 企画部長 山田賢一君。    〔企画部長 山田賢一君登壇〕 ◎企画部長(山田賢一君) 地価の抑制政策についてお答えをいたします。 県といたしましては、今後とも急激な地価の上昇が見られます市町村、あるいは大規模なプロジェクト構想があって、地価の上昇が予測されるような、そういう地域につきましては、国土利用計画法に基づく監視区域の指定を検討いたしますとともに、指定された後も地価の上昇率が低下しない市町村につきましては、届け出対象面積を引き下げるなど、検討を進めてまいりたいと思います。 いずれにいたしましても、この地価問題につきましては、国土利用計画法の制度の的確な運用を図り、地価抑制に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。 ○議長(河村成勝君) 土木部長 山岸俊之君。    〔土木部長 山岸俊之君登壇〕 ◎土木部長(山岸俊之君) 用地取得の関連につきまして、お答えいたします。 まず最初に、用地取得計画の処理状況についてでございますが、議員から御指摘のありましたように、建設省調査によります用地取得をする上での課題につきましては、本県も同様でございまして、用地取得は年々困難となってきておるわけでございます。このような状況の中で県は、地元市町村や、さらに地元の区長さんを初めといたしまして、関係する皆様方の御協力により計画箇所の買収を進めているわけでございます。しかし、どうしても買収できないところが昭和六十三年度で十一カ所、平成元年度につきましては十四カ所ございました。これらについては、やむを得ず箇所の変更等によりまして対応をしていただいております。買収ができない主な原因は、御指摘にもございました地価の高騰による価格の不満、代替地の要求等でございます。今後は、これらの隘路の解消に努めるとともに、計画どおりの用地取得ができるよう努力していく所存でございますので、御理解を賜りたいと思います。 次に、業務の外注化及び電算化についてでございます。用地交渉が年々複雑化して困難となっている現状は、先ほど来のお話のとおりでございます。したがいまして、職員には最優先で交渉業務に従事してもらうために、用地調査、物件調査につきましては補償コンサルタント、鑑定評価につきましては不動産鑑定士に業務の大半を委託しているところでございます。また、電算化につきましては、本年から土木事務所に配備されますコンピューターの端末機の活用を今後検討していきたいと考えております。 次に、公有地拡大の推進に関する法律、いわゆる公拡法に基づく買い取りの申し出についてでございますが、平成元年度の申し出件数は三百十一件で、面積にいたしまして約三十八万八千平方メートルであります。これらの申し出に対しまして、市、町及び関係いたします土地開発公社が先行取得をしておるわけでございます。今後もこの制度を大いに活用していきたいと考えております。 以上申し上げましたように、公共用地の取得は非常に厳しい実情であります。土木部といたしましては、用地取得業務が事業推進の原動力と考えておりますので、県民の皆さん方の御協力をお願いする次第でございます。
    ○議長(河村成勝君) 開発企業局長 藤田幸也君。    〔開発企業局長 藤田幸也君登壇〕 ◎開発企業局長(藤田幸也君) 県土地開発公社における公共用地の先行取得についてお答えをいたします。 県土地開発公社は、公有地の拡大の推進に関する法律に基づいて設立した特別法人でありまして、公共用地の先行取得等を主な業務といたしております。御質問の公共用地の先行取得の実態でございますが、平成元年度におきましては、道路、河川関係を含めまして十四カ所、十万四千平方メートル余りでございます。金額にいたしますと、約五十億円の先行取得をいたしております。議員御指摘のとおり、最近におきます地価の高騰等によりまして、公共用地の取得はますます困難となっておりますが、ときに各種事業計画推進の上で大変な障害となっております。このため、県土地開発公社による先行取得が極めて重要であるとの認識に立っておりますので、今後さらに関係部局と連携を密にいたしまして、県土地開発公社の積極的な活用によります公共用地の先行取得に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(河村成勝君) 十四番 小山興治君。    〔十四番 小山興治君登壇〕(拍手) ◆十四番(小山興治君) 発言のお許しをいただきましたので、岐阜県議会公明党を代表して質問いたします。 なお、先ほど登壇されました宮嶋議員が、岐阜市、大垣市、あるいは多治見をもっと近づけるための施策というものを提言されておりました。私も、かねてより県都岐阜市の発展なくして岐阜県の発展はあり得ず、また、岐阜市が衰微することは県も衰微することだと、このような認識を持っておりまして、東濃を代表する宮嶋議員から、岐阜市に対してもっともっと力を入れよということは、私にとっても大変ありがたいことでございまして、また、岐阜市に力を注ぐことが、東濃路あるいは飛騨路の先生方の反発を買うのでないかという危惧をしていらっしゃいます梶原知事にとっても、東濃路からの代表の力強い激励は、心晴れ晴れと岐阜市にもっともっと力を入れていただけるのでないか、このように大変ありがたく存ずるわけでございまして、宮嶋議員に心より感謝申し上げる次第でございます。 さて、梶原知事の実質的な行政がスタートして一年、県民に夢と希望をスローガンに、ガヤガヤ会議、婦人会議、委員会、審議会等が数多く催され、活性化に向かって歩み始めております。中部新国際空港も基本構想が発表され、鉄道高架の進展、東海環状自動車道、リニア新幹線、第二東名、名神道等岐阜県の将来を約束されるようなプロジェクトがメジロ押しであります。県内の各種の施設においても、メモリアルセンターの整備、野球場、陸上競技場、水泳場等、図書館、ふれあいセンターの建設、その他いろいろのものが計画され、完成あるいは促進と着々と進められております。こうした中、「百万都市へ動き出す」との見出しで、岐阜市を中心とした三市三郡で広域行政研究会を設置、将来像を探ると報道されておりました。この広域行政のあり方については、戦後新しい地方自治制度が誕生してから四十数年を経て、その功罪はいろいろありますが次第に定着しつつあるのであり、おおむね地域の発展に貢献しているのであります。多くの自治体は、中央からの指示、指導で画一的に動く、単なる国の下請、出先機関にすぎなかったものを、みずからの知恵とアイデアで自立性、独立性を持つようになり、自意識の芽生えが生まれ、地方が国に先駆け、国もリードする新しい発想は、ほとんど地方から生まれるようにもなってきたのであります。梶原知事の言われる地方の時代とも言える時が、到来したのであろうと思われます。 この地方の時代は、県という単位から市町村という単位へ移行というより、同時に進行しつつあるのでもあります。こうした新しい自治の芽を阻む原因はいろいろと考えられますが、おおむね次のようなものが考えられます。第一は、自治体に意欲的、先導的な新しい動きを嫌う、古いタイプの役場意識、体質が残っている、第二は、せっかく芽生えた地方の発想を国によって摘み取られ、つぶされてしまうケース、第三は、東京一極集中による結果、地方がのみ込まれてしまい埋没してしまう危惧等であります。地方自治が根づいたとはいえ、その土壌は依然として明治以来の体質と精神風土があり、中央各省の地方支配の構造も強固な体制をそのまま残し、金と権限で地方を統制支配下に置いているのも事実であります。 戦後、国家が一丸となって取り組んできた急成長の時代を経て、開発から繁栄へ、そして、集団から個々へと時代の移り変わる中で、今後はますます地方のことは地方にゆだねる傾向が続くであろうと思われます。この地方分権こそ地方の時代であり、個々の要望に合った、きめ細やかな行政が施行できるのでもあります。この地方への権限の委譲の効能は数限りなくありますが、時間の都合上この説明は省略させていただきます。 また、国が地方を管轄する中でよく言われる言葉が三割自治であります。これは歳入面から見た自立税源である地方税の割合が三割程度しかないことから、そう言われるのでありますが、県によって相当な開きがあり、岐阜県は二〇%台であります。その他、国の地方に対する関与規制は、多くの許認可権によってもかかわっているのであります。地方分権の実現を目指すに、国庫補助金の改革とともに、これらの許認可権の地方への委譲であり、地方もこの権限の委譲を強く求めてもいます。また、自治体内の組織や定数について、国から設置や定数が義務づけられ、そのため自治体で実態に合った運用ができないところにも問題があります。自治体において整理、減量を進めようとしても、この規制のため手がつけられないのも現実であろうかと思われます。 さらに、国の縦割り行政を地方はもろに受け、苦慮いたしております。各省庁の施策が、縦割りで新しい法律をつくり、ばらばらにおろされてくるのでありますが、それを受け入れる側は、実行に移すのに大変に苦労をいたすのであります。その後ブロック制、道州制、地方制等いろいろ検討されてまいりましたが、メリット、デメリット等の論議の中で、誕生を見るには至らなかったのであります。現在、府県域を超える広域行政は余り論議されることがなく、それにかわって、都市や市町村区域を超えた広域行政に論議が移り、取りざたされるようになったのでもあります。 さて、こうした過程を経てきた広域行政は、次のような事業においてはもはや実行に移され、それなりの成果をおさめているのであります。し尿処理、ごみ処理、上下水道、火葬場、学校、病院、診療所等共同処理方式の姿であります。前述しました「百万都市へ動き出す」では、岐阜地域広域市町村圏協議会が本年広域行政研究会を新たに設置、今後の広域行政のあり方、圏域の将来方向を各市町村で協議、研究するのがねらいとされておりますが、広域行政の最終目標は市町村合併であり、百万都市、政令都市実現に向けての第一歩であり、今後の研究会の動向が注目されるのであります。 この協議会は、岐阜市、羽島市、各務原市と、羽島郡、本巣郡、山県郡の三市三郡で構成されております。この背景には、昨年十二月に提出された新行革審の答申があり、国と地方の関係等に関する答申で都市化、高齢化、国際化を初めとした広範な社会変化は、多様なニーズに対応した地域行政の確立を求めており、広域行政と地域の主体性が発揮できる制度と仕組みを築き上げることが時代の要請であるとした上で、具体的広域化への対応策として、圏域行政の充実強化、市町村連制度の導入、市町村合併の推進を挙げております。この新行革審の指針でも明らかなように、市町村合併を最終目的にいたしております。近年注目された広域行政では、広島市や仙台市があり、いずれも政令指定都市の指定というにしきの御旗のもとに積極的に取り組み、周辺の合併を促進したのであります。 そこで、この政令指定都市になれば、どのような制度になるかということであります。事務委譲では、社会福祉、公衆衛生、都市計画等、市民の日常生活に関係の深い十七項目の事務の全部あるいは一部で政令で定めるものが指定都市に委譲され、その他地方自治法以外の個別法も委譲されております。さらに、通常の市であれば、知事の監督を受けるものであっても、これを要しないで事務の処理できる財源においても、府県から委譲されるものがございます。また、宝くじの発売、地方交付税の増額、そして、その大きな特色に、行政区の設置が認められているのであります。岐阜市に限っていえば、ここ十数年人口の増加は見られず、繊維業界の他府県への本店の移住、また他府県の侵食を受け、さらに観光看板である鵜飼は依然として振るわず、このまま推移してゆけば、名古屋の衛星都市として労力を提供するのみの市になる危惧をするものです。こうした状況下のもとで、今回広域行政研の発足は将来を展望する上で大変喜ばしいことであります。 この広域行政については、昭和六十二年第五回定例会においても質問いたしました。大きな反響を呼んだのでありまして、それは賛否両論でありましたが、近くは岐阜市議会でも自民党の議員が取り上げ、その機は熟しつつあると思われます。また、岐阜商工会議所においても、この広域行政は積極的に取り組むべきだとの声が高まりつつあるとうかがってもおります。こうしたもとで今後の県の対応、考えが大きくクローズアップされるのではないかと考え、これらを前提にして、次の取り組む考えをお聞かせ願いたいと存じます。 一、三市三郡から成るこの研究会について、どうとらえるのか、二、県都岐阜市の発展が、即岐阜県への発展であるとの住民の意識をどう思われるのか、三、夢おこし県政を標榜した梶原県政の超目玉として、この問題を促進されるつもりはあるや否や、四、この作業の手始めに、県都岐阜市の諸問題を一手に引き受け、協議運営する機関の設置はどう考えますか、例えば県と岐阜市の交流室のような研究運営の設置であります。以上四点につき、知事の所見を伺いたいのであります。 次に、副知事にお尋ねいたします。 消費税が導入されて一年を経過した現在においても、この論議は国会の最大の焦点となっております。さらに、去る六月十日に行われた参議院福岡選挙区において、自民、社会両党首が三度も足を運んだ選挙で、消費税廃止を訴える社会党候補が圧勝したことは、この論議に決着をつけたものと思われます。県議会におきましても、今日まで幾たびか論議されておりますので、消費税そのものは改めて問うことは避けますが、この消費税導入による県民生活の動向、県財政における影響について問うものであります。すなわちこの消費税導入による県税、消費譲与税、地方交付税等の歳入の状況、歳出はどうなったかであります。 平成元年三月定例会において前総務部長は、歳出について、納付すべき消費税については、水道事業会計及び病院事業会計で約一億三千三百万円、一般会計で約五十九億円、特別会計で約四億五千万円、歳出合計で約六十五億円の増と述べておられます。次に、歳入面については、県税収入の約百二十五億円減、そして、消費譲与税が約六十九億円の増、歳出増に伴う国庫支出金等の特定財源の増が約十九億円と見込んでおりますとされ、さらに、交付税原資に消費税の一定割合が算入されたことに伴う増分として約八十五億円と推計していたわけであります。また、岩崎議員の質問では、平成元年度は約二十九億円の歳入減となるが、平年度ペースで計算すると、消費譲与税の譲与見込額が、平成元年度の六十九億円から九十八億円となるので、プラス・マイナス・ゼロの計算をいたされておりました。なお、我が党の河合議員が、昭和六十三年九月定例会で取り上げました消費税導入の場合の県財政に与える影響として、次のとおり述べております。法人関係約十一億円の収入減、個人の県民税の減収約七十一億円、たばこ消費税減収約二億六千万円、娯楽施設利用税の減収約十七億五千万円、料理飲食税等の減約六十五億、地方交付税の減収約百五億、減収額は平年ペースに補正をいたすと、約二百六十四億円になるとの推計であります。次に、補てん額として地方交付税約百二十三億円、消費譲与税約九十六億円、課税の適正化によるもの約十億円、計約二百三十億円と見込み、消費税導入による経費増約四十六億五千万円と合わせ、増減収のトータルバランスは、税制改革を実施しない場合に比して、約八十億円強の減少となると示しております。 ここに県初めいろいろと試験したデータを詳しく述べましたのは、いつの場合でも県税の収入面における税収見込みを当初から低く見積もり、歳出面は予算どおり執行するわけでありますので必ず大幅な収入増となり、さも得をしたような錯覚で処理するところに問題ありと思うので、述べたわけであります。先述したとおり、導入されて一年を経過し、いまだにくすぶり続ける消費税が、県財政に果たしてどのように効用したのか、あるいは消費税導入による諸経費増、諸問題は、果たして解決したのであるのか、プラス・マイナス面に分け、詳しく答弁を求めるのであります。なお、これだけの大きな論議でありましたので、県民に対する影響、反応もあわせ求め、さらにもう結果が判然としているものと思われますので、数字の上のデータの答弁をも求めるのであります。 次に、警察庁が進めております自動車保管場所法--車庫法の改正により、関連から生ずる駐車対策について、土木部長にお尋ねいたします。 これは、深刻な違法駐車の対策として軽自動車の車庫届を義務化し、青空駐車を排除するのがねらいであり、保管場所のないすべての車は、購入、保管できないようにするのであります。車庫法ができた昭和三十七年には全国で約四百七十万台だった車が、現在は十二倍近い約五千五百万台にもなっている現況にかんがみ、本来存在しないはずの車庫なし車を生み出しているのを法の改正により一掃し、違法駐車追放へ大なたを振るうものであります。売る側のモラルに挑戦するような今回の改正は、車社会のモラルと秩序を確立するものでありますが、都市部を中心とした異常な土地の高騰による駐車スペースの絶対量不足という現実から、違法駐車を生む車にすべて法の網をかぶせるのであります。今回の改正点の主なものは、軽自動車の車庫証明を必要とし、車庫の場所変更の届け出制、車庫証明シールの貼付、さらに道交法による管理者、使用者責任まで追及し、社会に大いなる警鐘を鳴らしているのでもあります。 さて、そこで問題となりますのは、これらの違反取り締まりの厳格さだけではなく、その処置をいかにするかという点も、配慮されなければならないと思うのであります。そこで、現在県営住宅は十三カ所、約四千八百戸あります。このうち少なくとも一戸に一台は車があると想定されるわけでありまして、さすれば、四千八百台の駐車場の確保が必要となるのであります。これらの車庫法の改正にあらわれているように、一個人の駐車の問題ではなく、すべての行政、社会としてとらえる問題であるべきです。ゆえに、県営住宅を管理運営する土木部としては、最低条件としての一戸一駐車場の確保は必要ではなかろうかと思います。 そこで、お尋ねいたします。現在十三カ所、四千八百戸の県営住宅のうち駐車場を何台確保いたしておりますか、また全体の何%であるのか、主なところの数値を挙げ、説明願います。また、今後老朽化した県営住宅を整備される予定があるとうかがっておりますが、その際、今回の車庫法の改正の精神を踏まえ、駐車場の確保はどうするのか、以上、土木部長にお尋ねいたします。 次に、教育問題についてお尋ねいたします。 いじめ、校内暴力、登校拒否児童の増加、高校中退者の問題等、教育に携わる関係者の皆様は、このような状況のもと教育の正常化に向け多大な努力を傾けていられることに、深い敬意をあらわすものであります。これらの問題は、決して偶発的に起こるものではなく、また別個に存在するものでもなく、長い歴史を経て、戦後の教育のひずみの中から生じてきたものであろうと考えられます。学校が悪い、先生が、父兄が、社会が悪いと短絡的にとらえられるものでもなく、あらゆるものが複合して生じてきたのであろうと思うのであります。よりよい学校へ進学し、よりよい社会的地位を求めるという学歴偏重の社会的風潮の中で、高等学校の多様化への対応という基本的な考えのもとに昭和五十九年度に打ち出された推薦入学や面接の積極的活用、複数の受験機会を与えること、学力検査の一考等改善へ向けて行われてきたのであります。しかし、残念なことに、この入学者選抜制度の改善も、初期の目的の学歴偏重の社会的風潮も是正されることなく、また、この制度の取り入れによって若干の問題が起こっているとも聞くわけでありまして、非常に難しいのでもあります。中学における進学指導が、過度に偏差値に依存することなく、生徒の能力、適性、興味、関心などに十分配慮し、適切に行われることが必要であり、求められるのでもあります。 こうした背景を踏まえて、高等学校教育の個性化等の推進としてとられたことに関しお聞きいたします。 進学率の著しい上昇に伴い、生徒の個性化を進めるに当たっては、高等学校教育を多様化、弾力化することが肝要であり、岐阜県においてもそれなりの対応が行われてきたのであります。しかし、この多様化、弾力化のための施策をより一層進めるために、平成元年三月の学習指導要領の改定を受け、各学校が一層の創意をすることが望まれます。 ここで、二、三の実例を紹介いたします。個性化の推進、生徒の実情に合った教育、中退者の実態をよく掌握した上で画期的教育を推し進めている学校であります。長野県にある学校法人 篠ノ井学園篠ノ井旭高等学校は、県内はもとより県外からも大勢の生徒が集まり、それなりに学力幅も大きくなっているので、個人差に応じたわかる授業を目指して取り組んでおります。自己改造と自助努力を重ね、失いかけている自信を取り戻す学習を進めており、やればできるんだという自信につながる教育を進めているのであります。赤点、欠課、時数オーバーの生徒については、留年や卒業が危ぶまれる中で、全校で取り組み、指導をし、進級、卒業まで責任を持って行ってもおります。また、この学校では、進路保障という広い見地に立って、進学、就職の体制を整え、それなりの取り組みも図っております。ここには、一人でも落後者を出さないという基本精神が学校全体にみなぎっており、人間教育を実践しているという姿がまざまざと飛び込んでまいります。 また、埼玉県立伊奈学園総合高等学校では、個性を生かす教育の実践校としては、全国では例のない総合選択高校であります。この伊奈学園では、社会の変化に対応した理想の高校を目指し、創立六年目で多くの成果を上げ、全国から注目されております。一人ひとりの生徒が、生涯を通じて自己実現を図るため、自己教育力を身につける個別的な学習に全力を注ぎ、個性あふれる教育を図っております。一年次では必修科目を集中的に学習し、二年次からは学系指定、選択科目や自由選択科目が多くなり、その選択科目数は百五十八からあり、その中から自由に選択することができます。二年次で必修は十三単位、三年次に至っては必修はわずか六単位、残りが学系指定・選択及び自由選択であり、個人が進みたい道、勉強したい学問、興味ある科目に挑戦でき、個性化推進の本当の実践校なのであります。また、一学年が二十四学級となる大規模校でありますが、触れ合いのある充実した高校生活が送れますように、全校を六つのハウスに分け、このハウスは、ホームルーム活動や生活の場で、卒業までハウス、ホームルーム、学級担任が変わりません。したがって、友達と深い友情を育てることができ、先輩と後輩のきずなも強く、先生も生徒をより深く理解できるので、よき相談相手ともなれるのです。なお、この学校は、職員数二百二十四名、生徒数一学年千百五十名前後、総数三千四百五十名を有する超マンモス校でありますが、一人ひとりの個性、適性、興味を促進した学校であり、将来に大いに希望の持てる高校でもあり、全国から注目を集めているのです。 次に、北海道にあります北星学園余市高等学校を紹介いたします。この学校は、北の大地と海をバックに自由の学園を目指しており、平成元年全校生徒六百二十三名中、道外からの生徒が百九十二名と、三割近く占めております。その内訳は、東北十九名、関東百二十四名、関西四十二名、四国四名、九州三名と、全国各地より集っております。この学校の特色は、昭和六十四年より中退時と同じ学年から再入学できる転・編入受け入れ制度を取り入れております。今、年間十一万人も高校中退者がおり、大きな社会問題になっており、この学校は、さまざまな事情から中退した生徒を温かく迎え入れ、再出発の道を一緒に歩んでいこうとする、日本で初めての学校なのです。そのため全国各地より生徒が集まり、希望に燃えて学園生活に取り組んでいるのです。こうした生徒の受け入れに宿泊設備を充実させ、それも北星高校専用の寮、下宿が二十カ所以上もあり、親元を離れた学校生活を支えるため、寄宿する生徒たちを温かく迎えております。 このように個性化、適性化に向けての対応に力を入れつつあり、また、一方では生涯学習という観点から、だれでもいつでも必要に応じて高等学校教育を受け入れられるよう、新しいタイプの学校がございます。昭和六十三年度より誕生した単位制高等学校であります。この学校の特色は、学期ごとの入学、卒業が可能、多様な科目の開設と複数の時間帯、特定の時期における授業の実施、単位の累積加算をして全課程修了の認定、学習歴や生活環境など多様な生徒のニーズに合わせ、広く高等学校教育の機会を与えることを目的とし、現在全国で岩手、埼玉、石川、長野、鳥取の五県に設置されております。一、二の単位制を導入した学校の話を聞きますと、この三年を通して感じたことは、やってみて必要だと感じた、ニーズが多い、諸般の事情があり、中退したらもう一度やり直そう、普通の高校と違い自由に選択することができるという声が聞こえ、よかったという声がほとんどだそうであります。そこで、お尋ねいたします。こうした単位制高校の導入、あるいは前述した特色ある高校の開設を考えておみえになるかであります。 続いて、現在高校で大きな問題となっております留年、仮進級の件についてお尋ねいたします。 単位の修得及び卒業の認定については、高等学校学習指導要領で次のように定めております。「学校においては、生徒が学校の定める指導計画に従って各教科・科目を履修し、その成果が教科及び科目の目標から見て満足できると認められる場合には、その各教科・科目について履修した単位を修得したことを認定しなければならない」。これを受けて単位の認定を行い、また認定が難しい場合においては、「学校においては各学年の課程の修了の認定については、単位制が併用されていることを踏まえ、弾力的に行うよう配慮するものとする」を受けて、この「弾力的に行うよう」にが、各学校の判断に任されているように思えるのでございます。そして、「学校においては卒業までに修得させる単位数を定め、校長は当該単位数を修得した者で、特別活動の成果が、その目標から見て満足できると認められる者について、高等学校の全課程の修了を認定するものとする」を受けて、卒業を認定しているのであります。 ここで感じますことは、単位の認定に当たっての取り扱いが難しいのではなかろうかということであり、学校では、単位が認定されなかった生徒に補習授業、レポートの提出、再考査等を行い、単位を修得させようと努力いたしておるのであります。しかし、この単位の修得に学校、教師の考え方一つで左右され、さらに単位が修得できなかった生徒は仮進級もできず、留年というケースが多く見られることです。また、この判断が、どの基準で認定されているかということも、明確ではないのであります。中途退学者の数は、岐阜県において昭和六十三年度で千五百十五名、その内訳は、理由区分の中に、留年による中退者の項目がないのであります。大学ならいざ知らず、高校において留年をさせられ、自分の後輩と肩を並べて勉強することは、できるものではないのです。単位を修得できなかった生徒に仮進級をさせず、留年を決定するということは、学校をやめよと宣告するのと同じであります。いかにも非情な措置であり、そこに人間としての温かみのない姿が見えてくるのであります。まして、中退者の理由の区分に、この留年による項目を設けていないことは、これらの現実に目をつむり、弱者切り捨てではないでしょうか、考えさせられるのであります。 そこで、お尋ねいたします。県教育委員会として、この単位の修得としての認定の弾力的措置をどのように考えるのか、現在各学校の判断に任せておる仮進級、留年を統一する考えがあるのかどうか、さらに今後、この留年対策をどのように進めるのか、また、留年による中退者を掌握するつもりであるのか、お尋ねいたします。 次に、岐阜メモリアルセンターの駐車場対策についてお尋ねいたします。 メモリアルセンターは、平成三年四月全面使用開始を目指して着々と準備が進められております。県民にとって待望していた夢が目の前に実現するのであり、まことにもって喜ばしい限りであります。未来博開催のため取り壊されてから足かけ五年、陸上競技場、野球場、水泳場、テニスコート、球技場が一斉に使用開始され、夢と希望のあふれる県民の憩いの場所として姿をあらわしたのであります。 さて、そこで、これらの施設が一斉に使用されますと、問題になりますのが交通手段であります。未来博においては、類のない交通対策により万全に処理できたのでありますが、今後は、そのような対策はとれないと思われます。さすれば、通常の状態において確保できる対策が望まれるのであります。この交通対策の中で一番肝心になるのが、駐車場の確保であります。現在、大会時の最少収容台数として見込んでおりますのが千五百台。この台数については少な過ぎると思われますが、この基準すら確保できず、千三百二十一台の計画なのであります。この最少収容台数として見込んでおる千五百台は、果たして妥当であるかどうかでありますが、このメモリアルセンターで一斉に各種行事、大会を開催しますと、この収容人員が合計七万六千八百四十五人であり、この車社会の時代に駐車場確保が、一人一台として仮定した場合わずか二%の確保であり、このような計画では必ず失敗するでありましょう。 さて、そこで、駐車場をふやす対策が望まれるのでありますが、ここで障害となりますのが次のことであります。都市公園法 公園施設の設置基準第四条に「一の都市公園に公園施設として設けられる建築物の建築面積の総計は、当該都市公園の敷地面積の百分の二を超えてはならない」とされ、さらに「都市公園法施行令(許容建築面積の特例)第五条において「‥‥‥当該運動施設もしくは遺跡等で建築物であるもの、または当該自然公園の利用のための施設として設けられる建築物に限り、当該都市公園の敷地面積の百分の五を限度として、法第四条第一項本文の規定により認められる建築面積を超えることができる」を受け、合計面積の七%が建築物として認められております。そこで、メモリアルセンターの面積二十四万一千四百十平米に対する七%は一万六千八百九十八・七平米であり、現在は一万六千八百八十六・六九平米建築物が構築されており、残り十二・〇一平米、すなわち四坪弱しか建てられないのが実情でございます。 そこで、駐車場対策として、一つは、この都市公園法並びに都市公園法施行令、政令をクリアすることであります。それは、政令の改定に努力するとか、都市公園法の適用除外を考えることであります。恐らく市民の皆様には、駐車場対策としてこの都市公園法の適用除外であれば受け入れていただけるのではないかと私は思うのでございます。その上で多目的広場に立体駐車場、旧岐阜刑務所跡地に地下駐車場、または立体駐車場、さらにテニスコートの下に地下立体駐車場を確保するのが急務だと考えます。いずれにせよ、平成三年には使用開始が決定しておりますので、早急な検討が必要かと存じます。これら三点につき、教育長の答弁を求めるものでございます。 以上、四項目質問をいたしましたが、執行部の誠意ある答弁を期待し、終わります。ありがとうございました。    (拍手) ○議長(河村成勝君) 知事 梶原 拓君。    〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 県と岐阜市の関係につきましてお答え申し上げます。 岐阜市を中心とした三市三郡による広域行政研究会の御提案がございました。地方自治行政におきましては、国際化、あるいは国内における広域化がどんどん進展しておりまして、行政の広域化は、大きな課題でございます。そういった観点から、こうした御提案は大変意義のあることであるというふうに思う次第でございます。今後のその具体化、発展に期待を申し上げる次第でございます。 県都岐阜市は、岐阜県の玄関でございます。岐阜市におきましては、岐阜県の中枢機能が、また蓄積がされているところでもございます。岐阜市の発展が岐阜県の発展につながり、岐阜県の発展は、岐阜市の発展にまたなければならないところが大変大きいわけでございまして、そういう観点から、従来とも県都岐阜市に対しましては、大いに県事業等重点投資をしてきたところでございます。具体的に申し上げますと、未来博が一昨年開催されましたが、その以前から未来博関連道路の整備に力を入れてまいりまして、おおよそこの地域で八十億円の投資をしたわけでございます。その結果、この岐阜市の町並みが一新したと言われるくらいの大きな成果が出ましたし、かつての交通渋滞区間も解消される等々、大変市民の方にも感謝されているわけでございます。また、その際も岐阜環状線の整備に力を入れましたが、その後も西回りルートにつきまして、事業の促進を図っているところでございます。これも全体事業費にいたしますと、二百億を超える事業費でございます。さらに、西濃方面への重要な機能を果たしております岐阜関ケ原線、これにつきましても、島大橋等々重要事業を進めておるところでございます。また、大縄場大橋も、ただいま建設工事のピークに差しかかっているところでございます。さらに、大きな全体事業費五百億を超える岐阜駅周辺鉄道高架事業がございます。本年度は議会の御理解も得まして、県単独事業で十億円の上積み予算も組んだわけでございまして、当面緊急を要する重要事業と認識をいたしておるわけでございます。さらに、木曽川右岸流域浄水事業、これは岐阜市が大きな受益者でございますが、事業の大きな進展を見ているところでございます。 また、未来博の跡地に岐阜メモリアルセンターを建設中でございます。来春全体が完成いたしますが、完成いたしますと、いろんな点を総合いたしまして、世界イベント村と言ってもいいくらいの全国的あるいは国際的な大規模イベントが開催できる場所になるわけでございまして、岐阜市が御提唱になっておられますコンベンション都市の最重要拠点になり得るものと、こういう期待をいたしておるわけでございます。また、さらに、未来博開催を記念いたしまして、未来会館の建設にぼつぼつ着手いたしたいと考えております。また、県庁周辺では、この地域に副都心を形成すると、こういうような意味合いも込めまして、県民の情報センター的な機能も果たしますふれあいセンターの建設にも着手するところでございます。また、県立美術館の隣に県立図書館の建設を構想いたしておりまして、これもぼつぼつ建設段階に入るということでございます。県立美術館が、大変評価が高いわけでございますが、これに負けないように、従来の図書館というイメージを脱却いたしまして、国内外で注目されるような、特色のあるすばらしい文化拠点にしたいと、かように思っておる次第でございます。 こういう具体的な事業を示したわけでございますが、既に超重点的に県都岐阜市には投資をいたしまして、その生産基盤、生活基盤の強化に努めているところでございますが、当面最重要課題が、駅周辺の再開発でございまして、県におきましても地元の積極的な対応に相呼応いたしまして、精力を傾注してまいりたいと考えておる次第でございます。 それから、県と岐阜市の諸問題を総合的に協議運営する機関を設けたらどうかと、こういうような御提案でございます。既に、今申し上げました岐阜駅周辺鉄道高架事業の例にございますように、県と岐阜市の職員で事務所を構成しているというようなこともやっておるわけでございまして、その他事業ごとあるいは特定のテーマごとに関係の部局が、県と市、相互に連絡をとりまして、協議会等を設けて対処しているところでございます。御提案のような総合的な連絡協議会が必要であれば、岐阜市とも十分連絡調整をしてまいりたいと、かように存ずる次第でございます。 ○議長(河村成勝君) 副知事 秋本敏文君。    〔副知事 秋本敏文君登壇〕 ◎副知事(秋本敏文君) 消費税など一連の税制改革によります県財政への影響についてお答えを申し上げます。 元年度における県財政への影響額につきましては、明確な算定にはなかなか困難な点もございますけれども、最終予算額などをもとに昨年度当初と同じ、一定の前提で推計をいたしますと、まずマイナス要因と申しますか、負担増という面で申し上げますと、一般会計で歳出増が約六十七億円、県税収入が約百二十二億円の減収でございまして、合わせて約百八十九億円ということになります。主な税目ごとの減収を申し上げますと、個人県民税四十八億円、娯楽施設利用税十四億円、料理飲食等消費税五十八億円などでございます。次に、プラス要因と申しますか、負担軽減になった要因の方を申し上げますと、歳出増に伴う国庫支出金等の特定財源の増約二十一億円、消費譲与税の創設約七十七億円、地方交付税につきまして、交付税原資への消費税の一定割合の算入に伴う増分として約八十二億円ございまして、合わせますと約百八十億円になります。 したがいまして、この試算で申し上げますと、差し引き約九億円のマイナスという結果になっておりますけれども、これはただいま申し上げましたように、あくまでも一定の前提のもとでの推計でございまして、どちらかと申しますと、ほぼ均衡していると申し上げた方が適当ではないかと思われるような計数であります。その点、御理解をいただきたいと存じます。また、納付すべき消費税額について申し上げますと、元年度分につきましては、水道事業会計約一億三千万円、病院事業会計約九百万円、健康管理院特別会計約一千万円、県営住宅特別会計約二千万円でございます。 次に、消費税の県民に対する影響、反応ということについてお尋ねがございました。県におきましては、全国でもいち早く消費者を対象として県民生活課内に物価ダイヤル、県税事務所等に税制改正コーナー、そういうものを設け、そして、また、事業者を対象として、商工会、商工会議所などにおきましては消費税相談所を設けていただきまして、それぞれ県民の皆様方の相談に応じるように措置をいたしました。その相談の状況という点から申し上げさせていただきたいと存じます。 それぞれの窓口での相談件数、内容を見ますと、物価ダイヤルにおきましては元年四月に二百七十件、二年四月には一件でございまして、その主な内容は便乗値上げといったような点でございます。次に、税制改正コーナーにおきましては元年四月に六十件、二年四月に八件となっておりまして、その主な御相談の内容は、免税業者の範囲などについてでございます。また、消費税相談所におきましては、開設当初の元年四月におきましては二千九百七十九件、二年四月には三百四十四件となっておりまして、その主な相談内容は、当初は制度の仕組みについてでございましたけれども、最近では納税申告方法についてというように変化をしてきております。県民の皆様方の反応などをどうとらえるかということにつきましては、いろいろな考え方があろうかと思いますけれども、県の相談窓口等における状況を申し上げますと、以上のようになっている次第でございます。 ○議長(河村成勝君) 土木部長 山岸俊之君。    〔土木部長 山岸俊之君登壇〕 ◎土木部長(山岸俊之君) 県営住宅の駐車場につきましてお答えいたします。 本県におきます県営住宅の駐車場の整備につきましては、他県に先駆けまして昭和五十二年度より積極的に推進してまいりました。主な団地の整備状況でございますが、北方住宅が千七十四戸に対しまして七百九十二台、充足率で申しますと七三・七%でございます。尾崎住宅につきましては、千百二十六戸に対し八百三十一台、七三・八%。田神住宅につきましては二百五十戸、百八十三台、七三・二%等でございますが、新しい団地であります夕陽ケ丘、宮代、泉北の三団地につきましては、一〇〇%を超える充足率の状況になっております。なお、駐車場の未整備の団地もありますので、平均いたしますと、平成二年三月末現在で県営住宅の管理戸数四千八百七十戸に対しまして三千四百十四台分、約七〇%の充足率でございます。ちなみに新聞報道によりますと、愛知県では三五・七%、静岡県では二九・五%、名古屋市では三二・七%の充足率となっております。しかしながら、議員御指摘のとおり、一家に一台の自動車を持つ時代となっておりますので、今後住環境整備等を予定する団地につきましては、従前以上の駐車場を確保するように整備を進めてまいりますので、御理解をいただきたいと思います。 ○議長(河村成勝君) 教育長 篠田幸雄君。    〔教育長 篠田幸雄君登壇〕 ◎教育長(篠田幸雄君) 初めに、単位制高校の開設及び単位認定と留年についてお答えします。 高校への進学率が九五%にも達している現在、入学してくる生徒は、能力、適性、興味、関心などにおいて非常に多様化してきております。それらの生徒一人ひとりに対してきめ細かい指導が求められていることは、議員御指摘のとおりでございます。県教育委員会といたしましては、昭和六十一年度から高校入学者選抜制度を改善したり、六十三年度から普通科高校にコース制を導入したりして、生徒の多様化や、社会の変化に対応できる、特色ある高校教育を目指してまいっております。お尋ねの単位制高校や特色ある学校につきましては、この一連の多様化対応の一環として現在検討中でありますが、特に単位制高校につきましては、学習者の希望、学習歴、生活環境などに応じた高校教育が容易に受けられるよう、また、生涯学習の観点に立った学習への挑戦の可能性と、明るい希望を持てるよう、その設置を検討してまいりたいと思います。 次に、単位の認定と留年についてでございますが、御承知のとおり、現在高等学校では学年制と単位制を併用し、学年における必要単位の認定をもって次の学年に進むという方法をとっております。学年制の特徴は、ほぼ同一年齢の生徒が年齢に応じた学習ができること、順序を追って系統的に学習ができることでございます。したがって、各学校においては、個別指導、補充授業、追認考査など実施することにより、可能な限り単位の認定をしたり、また、たとえ未認定であっても、内規に照らしていわゆる仮進級の措置を講ずるなど、進級あるいは卒業できるよう、責任を持って生徒の指導に当たっているところであります。しかし、御指摘のように、さまざまな事情により、やむを得ず原級留置の措置がとられる場合もあります。このことにつきましては、各学校や各生徒それぞれの事情がありますが、学校の主体性を尊重しつつ、また、高校教育に求められる学力維持を考慮しながら、新学習指導要領の趣旨を踏まえて、県で定めている高等学校教育課程編成に関する基準や、各学校の内規を見直すなど、今後一層の教育的配慮と弾力化を図ってまいりたいと思います。また、学習のおくれがちな生徒につきましては、各学校において早い段階から指導等について一層心がけるよう指導をしてまいりたいと考えております。なお、留年による中退者の掌握につきましては、従来から国の調査項目に準じて調査をしております。その項目の適否につきましては、今後検討をしてまいりたいと考えます。 最後に、岐阜メモリアルセンターの駐車場対策についてお答えします。 駐車場対策につきましては、計画当初から県議会の皆様の御理解をいただきながら整備を進めてきたところでございます。議員御指摘のように、イベントによっては駐車場の不足も予想されますが、自家用車数の増加は、周辺道路が飽和状態となり、交通渋滞を招くことにもなりますので、極力自家用車による来場を抑制し、関係機関とも十分協議しながら、路線バスの増発や臨時バスの運行など公共交通機関による輸送対策に万全の措置を講じ、来場者に不都合を生じないよう努力してまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきますようお願い申し上げます。          …………………………………………………… ○議長(河村成勝君) しばらく休憩いたします。 △午後零時二分休憩           …………………………………………………… △午後一時十七分再開 ○副議長(古川利雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。          …………………………………………………… ○副議長(古川利雄君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長したいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(古川利雄君) 御異議がないものと認めます。よって、本日の会議時間をあらかじめ延長することに決定いたしました。          …………………………………………………… ○副議長(古川利雄君) 引き続き一般質問並びに議案の質疑を行います。二十番 杉山友一君。    〔二十番 杉山友一君登壇〕(拍手) ◆二十番(杉山友一君) 質問のお許しをいただきましたので、二点について質問いたします。 まず、要援護老人対策についてお伺いいたします。 さきの定例県議会において成立しました平成二年度予算、いわゆる夢おこし助走予算の特徴の一つでありますように、県では日本一住みよいふるさと岐阜づくりを目指し、長寿社会に向けた生きがい・ふれあい・気くばり福祉、健康対策の充実を図っているところであり、また、知事におかれては、現場の生の声を県政に反映させるため、従来からの福祉訪問を今年度からは市町村とタイアップし、各種行事の合間を縫って精力的に訪問される等、より一層福祉施策に力を注いでみえるところであります。 さて、厚生省人口問題研究所が公表しております「日本の将来人口新推計」によりますと、我が国における人口の高齢化は今後二十一世紀に向けて急速に進展し、三十年後にはピークを迎え、老年人口比率は約二三・六%となると予想され、とりわけ高齢者の中でも、年齢七十五歳以上のいわゆるオールド・オールドと呼ばれる後期老年人口は今後急速に増加し、三十年後には高齢者の約半数を占めると予測されております。 私は、この来るべき長寿社会における行政施策のあり方については、大きく分けて二つあると思います。まず高齢者全体の八五%を占めると言われる健康老人については、生きがい、社会参加型施策が必要であると考えております。一方、寝たきり率、痴呆性老人出現率が、前期老年人口に比して著しく高い後期老年人口が急増することから、今後急激にふえていくと思われる寝たきり老人とか、痴呆性老人などの手助けを必要とする方に対しては、質、量ともに充実した手厚い福祉の配慮が求められていると考えております。 ところで、先般国において、平成十一年度を目標に、在宅福祉、施設福祉等の事業を強力に推進するため、市町村における在宅福祉対策の緊急整備、寝たきり老人ゼロ作戦の展開、施設の緊急整備、高齢者の生きがい対策の推進等を柱とする高齢者保健福祉推進十カ年戦略を策定したところであります。 この戦略を見ますと、西欧社会における福祉水準とは比較にはならないまでも、ホームヘルパー、ショートステイ、デイ・サービス事業等については、従来のテンポを大幅に上回るものとなっており、また、施設整備面については、平成元年度現在、全国で十六万床の特別擁護老人ホームを十年間で二十四万床に増設するのを初めとして、その整備目標が明確にされており、福祉対策の基本的なレールが敷かれたものと高く評価しているところでありますが、県においても、来るべき長寿社会における的確な対応を図るためには、ここ十年の間に二十一世紀のピーク期を想定した計画的な基盤整備を進めることが極めて重要な課題であると考えられます。 そこで、私は、この長寿社会における要援護老人対策について、二点、民生部長にお尋ねするものであります。 まず、第一点は、特別養護老人ホームの計画的な整備についてであります。 今後急増する要援護老人対策として、先ほどの高齢者保健福祉推進十カ年戦略に示されました全国的な施設整備の見通しのもとで、本県としての特別養護老人ホームの計画的な整備の方針をどのように考えておられるのか、その基本的な考え方についてお伺いします。 次に、第二点は、特別養護老人ホームの地域的な適正配置の問題でありますが、県下の高齢者の方々の声をお聞きしますと、数多くの方が地域の中で触れ合いながら生活できることを求めておられます。このような高齢者の方々のニーズを踏まえるとき、特別養護老人ホームもまたみずから長い間生活してきた地域にあることが望ましいことではなかろうかと考えられますし、さらに、今後の福祉は、市町村が中心となって実施していくことが肝要であるとの観点からも、現在、特別養護老人ホームがない本巣郡に早急に特別養護老人ホームを整備することが必要と考えておりますが、県の考え方をお伺いいたします。 次に、本巣郡南部地区開発と東海道本線巣南駅の設置についてをお伺いいたします。 高齢化の進展や高学歴化、所得の上昇、さらには自由時間の増大等によって、豊かな生活意識や価値観の多様化といった社会的変化が急速に進展をしております。一方、人口増加率の低下傾向と相まって、人口の流出、流入をめぐる地域社会のひずみが生じていることも事実であります。今後、それぞれの地域が発展するためには、地域住民の新たな生活意識に対応した個性と魅力ある地域づくりが急務となっており、そのためには、地域の進むべき方向を地域住民みずからが見据え、首長の先見性と強力なリーダーシップのもと、その実現に向けた総合的な整備計画を策定し、さまざまな課題に適した施策を展開することが重要となっております。 県内の市町村においても、二十一世紀に向けての特色ある町づくり、地域づくりに取り組まれているところでありますが、県土全体の均衡ある発展を実現するためには、地域相互の連携、交流が不可欠であり、単に人や物の流れによる一時的な結びつきだけではなく、おのおのの地域の特性、機能が有機的につながり、波及的に発展していくことが期待されていると思うのであります。特に県内の都市近郊、周辺の町村では、農業経営の高度化や雇用機会の創出、商工業の振興など多くの課題を抱えておりますが、中核となる都市の発展力のインターフェース、集積地として、このような地域の役割とそこでの開発整備が大変重要になってくると私は考えるものであります。 一例を申し上げますと、岐阜市、大垣市という本県の二大拠点間における都市の集積を強めることは、都市機能の波及力を高め、都市の持つ活力を周辺地域に均てんさせる上でも重要な要件であると考えますが、現状を見ますと、本県の南部を通過する幹線鉄道である東海道本線沿線地域については、特に大垣駅、穂積駅間の巣南町地内を中心に必ずしも有効な土地利用がなされておらず、岐阜、大垣間の両都市間における都市機能の有機的な連携が十分図られていない状況にあります。 このため、地元巣南町においては、東海道本線と国道二十一号に囲まれた同町南部地区に商業を核とした大規模な開発を行い、その中心として鉄道の新駅を設置するという計画が進められております。計画拠点とその周辺の地域、巣南町と真正町、安八町、墨俣町、神戸町の全人口の推移を見ますと、昭和四十五年十月から平成二年五月までのおよそ二十年間に四〇%ほど増加しております。特に巣南町では、同期間に七〇%近く増加しております。 また、昭和六十年の国勢調査結果から、この地域における通勤、通学者の動向を見ますと、全般的にやはり岐阜市や大垣市への流出が多く、名古屋市等県外への移動も目立っております。巣南町では、町民のおよそ三人に一人が他の市町村にて就業、就学している状況で、他地域から就業等による流入者が極めて少ないという実態があらわれております。このように、同地域は主にベッドタウンとして、都市部への労働力供給の役割を果たしているゾーンでもあるわけであります。 さらに、経済面から巣南町のみを対象に見てみますと、例えば、昭和五十五年度から昭和六十年度の卸売、小売業総生産高の伸び率と構成割合では、おのおの五・七%、五・一%と県全体では伸び率二七・八%、構成割合一四・八%、本巣郡全体では伸び率が七・七%、構成割合一〇・四%と比べ、低いレベルにあります。とりわけ鉄道駅を有する穂積町の伸び率は二七・八%、構成割合一五・六%と比べますと、商業的機能の発展格差が極めて大きいと言えます。一ヘクタール当たりの市町村内総生産では、巣南町は昭和六十二年度千四百四十一万六千円で、穂積町の約三分の一、真正町や糸貫町より若干少なく、岐阜地域全体の約三分の二という状況であります。 以上のデータからは、拠点都市の中間に立地しながら、産業、特に商業面の集積がおくれている地域の例として巣南町の現状を取り上げ、説明申し上げたわけであります。 かような背景から、土地利用の高度化に向けて、商業施設を核に鉄道駅設置を含めた大規模かつ総合的な開発計画が検討されている状況であります。東海道本線の新駅を同町内に設置することにつきましては、公共交通機関としての鉄道とのアクセス需要の高まりから、岐阜市、大垣市など他地域への通勤、通学、その他に際しての住民の交通利便を大幅に向上させるために、また、定住化を促進する上からも、巣南町民はもとより周辺の地域住民にとって多大に貢献できる施設として期待が寄せられており、関係住民が強く願っているものであります。 参考までに東海道本線の駅間距離を申し上げますと、岐阜駅と西駅間は三・二キロメートル、西岐阜駅--穂積間は二・八キロメートルでありますが、穂積--大垣間は七・七キロメートルと同本線の駅間距離の中でも長い部類に入っています。私は、巣南町が検討しております同計画を単に一つの町の総合計画の範囲にとどまらず、高度な、より広範囲な計画として評価し、支援していきたいと考えております。同計画が同町の産業発展及び生活環境整備に有効であるのみならず、商業地、住宅地としての都市機能が連檐することにより、岐阜--大垣間のネットワークの強化が図られ、地域の一体的な発展を実現させるものと確信しているものであります。新駅の設置は、そのような計画の中心として位置づけられているのですが、交通基盤の整備と周辺の地域開発が歩調を合わせて推進されることを強く望むものであります。 以上の事情等を踏まえまして、本巣郡南部地区の開発計画の推進と東海道本線巣南駅設置の実現に向け、県の協力、対応をお願いする次第であります。また、駅を中心とした全体の町づくりについての県の指針と新駅設置についての検討課題を教示されるとともに、今後の取り組みについて企画部長と土木部長に御所見をお伺いし、質問を終わります。 どうもありがとうごさいました。    (拍手) ○副議長(古川利雄君) 企画部長 山田賢一君。    〔企画部長 山田賢一君登壇〕 ◎企画部長(山田賢一君) 議員御質問の新駅の設置につきまして、お答えを申し上げます。 新駅の設置につきましては、御質問の中にありましたように、単に周辺の住民の方々の通勤あるいは通学の便利性のみならず、二都市間の都市機能の融合と有機的な連携のもとに、地域の一体的な発展を促進していく上で大変重要なものであると考えております。 議員からは、新駅の設置についての検討課題を明らかにせよと、そういう趣旨の御意見でございました。 まず、新駅設置の事業化に当たりましては、その開発予定地域が市街化調整区域内にあるなど、都市基盤整備上の問題でありますとか、経済的効果などの課題がございます。また、駅設置につきましては、単に駅舎用地のみならず、駅前広場等相当広大な用地を必要とするため、地元の御理解、御協力が要請されるところであります。さらに、東海旅客鉄道株式会社の最近におきます基本姿勢は、周辺の開発を重視する方向にあります。このため、利用計画、開発計画について具体的に検討することが重要であると思われるところであります。 また、建設費の地元負担につきましても、自治大臣との事前協議が必要となりますので、自治省におきましては、東海旅客鉄道株式会社にも一定の負担を求めるよう指導しておりますため、関係者間の十分な調整が必要となってまいります。今後これらの課題につきまして、地元におかれましても解決を図っていかれる必要があるかと存じます。 また、新駅の設置に関する運動につきましては、既に県といたしましては、二十一世紀を目指しました名古屋圏鉄道網整備計画に組み入れられるよう運輸政策審議会地域交通部会名古屋圏都市交通委員会という委員会がございます。ここにも要望をしてまいっておるところでありますが、今後とも国あるいは東海旅客鉄道株式会社等に対しまして積極的に働きかけを行ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。 ○副議長(古川利雄君) 民生部長 桑田宜典君。    〔民生部長 桑田宜典君登壇〕 ◎民生部長(桑田宜典君) 援護を必要とします老人対策についてお答えをいたします。 人生八十年時代の到来を迎えまして、県といたしましては、生きがい・ふれあい・気くばり福祉を基本に諸施策を推進いたしているところであります。 まず、御質問第一点目の県としての特別養護老人ホームの計画的な整備の方針についてでありますが、本県は比較的恵まれた居住環境や家族全員で介護するという県民性などから、全国的に見ましても入所需要の少ない県となっております。このような中で、県では需要の動向を見ながら毎年百人程度の施設整備を図ってきているところであります。今後におきましても、平成三十年ごろに到来すると予想されます高齢者のピークを見通し、具体的には現在策定中の四次総第三期計画の中でその整備を進めるよう検討しているところであります。 次に、特別養護老人ホームの地域的な適正配置の問題でありますが、高齢者の方々は、議員御指摘のとおり、長い間住みなれた地域の中で生活したいという気持ちが強く、やむを得ず施設に入所される場合でもできるだけ身近なところの施設に入所されるのが最も望ましいと考えております。 ちなみに、現在の県内の特別養護老人ホームの整備状況を見てみますと、大体六十五歳以上の高齢者七千人に一カ所程度整備されております。また、その入所者の実態を広域市町村圏単位に見ますと、約八割の方が地域の施設に入っておられる状況にあります。このような点を踏まえまして、県におきましては、毎年地域における入所需要や施設の健全経営の観点などから、地域ごとの施設配置を検討しているところであります。 御質問のありました本巣郡管内には、現在六十五歳以上の方が約九千人お住みになっておられ、本巣郡町村長会などにおいても特別養護老人ホームの建設計画を現在検討されておられると聞いておりますし、また、本巣郡にはこの施設が整備されておりませんので、必要な施設と考えております。したがいまして、県といたしましても、その支援に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。 ○副議長(古川利雄君) 土木部長 山岸俊之君。    〔土木部長 山岸俊之君登壇〕 ◎土木部長(山岸俊之君) 巣南町の新駅設置関連につきましてお答えいたします。 先ほど企画部長の答弁にございましたように、開発予定地の地域は都市基盤施設がほとんど整備されていない地域でございます。今後、計画的な市街地整備が必要な地域であると考えております。したがいまして、県といたしましては、巣南町南部地区のみでなく、新駅を中心とした全体の開発計画の中で、駅前広場、街路等の都市基盤施設の整備等市街地整備の計画づくり、あるいは新しい市街地を整備する場合の有力な手法でございます土地区画整理事業等、市街地整備の手法につきまして必要な助言、指導を町に対して行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(古川利雄君) 二十三番 片桐義之君。    〔二十三番 片桐義之君登壇〕 ◆二十三番(片桐義之君) ただいま発言のお許しをいただきましたので、以下数点にわたって、日本共産党を代表して、知事を初め関係理事者にお尋ねをいたしたいと思います。 質問の趣旨にのっとって明快に答弁をいただくようあらかじめお願いをいたしたいと思います。 昨日来、長良川河口堰の問題が繰り返し取り上げられております。この長良川河口堰につきましては、私は、御承知のように一貫して反対をしてきた立場から、昨日の質問については大変うれしくも思ったところであります。なぜなら、この長良川河口堰、先頭に立って断固として促進するという知事や、あるいは早くつくってほしいという岐阜市長などを昨年の選挙で応援してきた方々も、今日では長良川河口堰反対の側で追求をする、主張をする、こういう光景を見て、大変心強くうれしく思ったところであります。さらに、ほかの人たちも、長良川河口堰を沿岸住民の生命、財産を守る立場から河口堰の中止をすべき、こういう立場でぜひとも御協力をお願いしたいというふうに思うところであります。 さて、この長良川河口堰、いろんなことを言います。昨日、沿岸の代表である松永議員からも、この生命、財産を守るために早期建設という主張がされております。そのときに、魚道の問題でこういうパンフレットが出ました。このパンフレットは私も見ております。しかし、このパンフレットにも塩害防止などということは書いておりません。河口堰は徹底して塩害防止なんです。洪水のために河川の中へ、河道に構築物をつくることは有害である。有害だけれども、塩害防止のためにやむを得ずつくるんだというのが促進派の主張であります。ところが、生命、財産を守る、あたかも河口堰をつくらなければ、堰そのものがつくらなければ治水に有益でないというようなふうに思わせる、こういう言い方が一貫しています。前議会のときも松永議員の質問のときに、長良川の洪水の歴史は延々とやられましたけれども、河口堰建設の中心的理由である塩害については何ら前議会も資料が出ていなかったというところに見られるように、私は大変残念に思います。私もこの長良川の堤防下で生まれ、堤防下で育ち、あの伊勢湾台風を初め、三年連続の災害のときには命をかけて長良川を守ってきた一人として、実にこの長良川を守る立場から河口堰をやめてほしい、そういう立場で今まで主張してまいりましたが、本日は繰り返しになりますので、簡単にきのうのやりとりの中で新たな疑問が生じた部分だけ若干お尋ねをしておきたいと思います。そして、建設中止を要望するわけであります。 一つは、昨年の議会で長良川が湛水をして、長良川の水質が腐敗をして悪くなるんではないか、こういう質問に対して、二百トン以上の、毎秒ですが、流量があるときにはこれを開放するんで、フラッシュしてそういう心配はないと、こういう答弁がありました。しかし、堰のあたりで毎秒二百トンを流れる日が一体年間どれくらいあるのか、いつごろあるのか、そういう点については明確にされておりません。忠節あたりでは今までの歴史を見ますと、十月、十一月、十二月、あるいは一、二、三、四月ごろ、半年前後はこの二百トンを超える日はほとんどないわけでありますから、半年以上は湛水したまま、こういうことが言えるわけですから、堰のあたりではどれくらい開放される日があるのか、ひとつお尋ねをしたいと思います。 二つ目に、昨日知事は、全体が魚道という言い方をされました。呼び水式魚道、あるいは閘門をつくる、そして、全体も魚道の役割を果たすと言われましたけれども、全体魚道ならわざわざ高い金をかけて松永先生のあの模型のような魚道を改めてつくる必要はないと思うんですけれども、一体どういう意味なのかお尋ねをしておきたいと思います。 いま一つ、岐阜大学の専門家である和田教授が、昨日の松永議員の説明ですと、あちらの地域でのフォーラムで、人工の新河川をつくれば仔魚の損耗は防げる、こういうことを言われたと紹介されました。しかし、その和田教授は、先般NHKの河口堰討論でどう言ったのか。私が昨年指摘したように、河渡橋付近でふ化したアユの仔魚は、これを取水すればその分だけ当然減耗するということを言いました。それに対して、つい最近のテレビ討論会で、和田教授は、流量と取水の比率によって仔魚が損耗するのは当然であると発言しておられます。そうすると、テレビで言った和田教授の発言と昨日の松永議員の言われたあの地域のフォーラムにおける和田教授の発言は全然矛盾をするわけです。一体どういうことなのか、御存じならばぜひともお尋ねをしておきたいと思います。 次に、ゴルフ場の問題についてお尋ねをしたいと思います。 このゴルフ場、今、第二次ゴルフ場建設ブームと言われております。第二次ブームがどうして起きたのか、これは御承知のように、さきにリゾート法ができたからであります。いわゆるリゾート法と言いますが、総合保養地域整備法であります。これがもとになって、今のゴルフ場の開発が第二次ブームを起こしておると言われます。このいわゆるリゾート法、国会では自民党の諸君、そして、民社党、公明党、社会党、社民連、皆さん賛成をされたわけです。ゴルフ場乱開発のもとになる法律が国会でこういう形で通って、そして、その結果が岐阜県の中で現在あらわれております。非常に私は残念だと思いますけれども、これも今、昨日の自民党の代表質問、社会党の代表質問などを聞いた限りでは、このゴルフ場の乱開発については規制をすべきだという立場に立っておられるので、そういう点は、前のあの態度は反省をしておってくだれるなというふうに私ひそかに喜んでおるところでありますけれども、いずれにしてもゴルフ場の乱開発というのは、県土の八二%を森林という地域の状況を考えるなら、岐阜県にとっては重大問題であります。このゴルフ場についても、一昨年農薬の規制を要求してから県の対応も一歩一歩前進してまいりました。私が農薬調査をやれ、規制をせよ、こういうことを言ってまいりましたが、その一歩一歩前進を見てきておりますので、その点については一定の前進として認めますが、若干の問題についてお尋ねをしたいと思います。 私、実は水系別個別の農薬の使用状況などを発表せよと言いましたが、なかなか農政部のガードがかたくて発表できないという答弁でした。そこで、私ども独自に調査をしてまいりました。その結果、昨日の質問の中で出た農薬の使用量、最高二千八百キロ程度、新聞発表は二千八百ぐらいになってますけれども、平均が千五百二十九、そして、最小が百キロぐらいというふうに言われたと思うんですけれど、私の調査では、最高はそれをはるかに上回っておると思うんです。私の調査では、一ゴルフ場で年間何と十八ホールで三千四百キロを超えておるというふうに思っておりますが、ことし三月の初めの県の発表では二千四、五百という言い方をされておるようですので、私の調査が間違っておるのか、それとも実際にどうなのかその点についてまずお尋ねをしておきたいと思います。もし最高三千四百ということなら、これを一割程度まで抑えるというのは県の平均を二分の一、三分の一、四分の一という方向と大体合致をしてくる向きもありますので、とりあえずはそういう数字についてちょっとお尋ねをしておきたいというふうに思います。 それから、一つは、土木部長が貯水池あるいは調整池で十分に対応しておるんで、逆に洪水には有益であると、こういう趣旨の答弁をされました。これはもう私は極めて残念な答弁だと思っておるんですけれども、そういう答弁をするのなら、少なくとも土木部長として、昨年の九月の土岐川のはんらん、あれから既に九カ月もたっておるんですから、今ごろあれをゴルフ場の原因とは言いがたいと言うのならば、何があの土岐川のはんらんの原因であったのか明確にするのが岐阜県の土木部長の責任ではないのか、その点について土木部長にお尋ねをしたいと思います。 そして、知事はこれからゴルフ場の開発について規制方向で対応すると言っておりますけれども、実は、昨日の答弁で、第一義的には地元市町村長の意見を尊重しつつ、こういう答弁をされています。それについては、実は、市町村長の中には、例えば瑞陵ゴルフのときのように事件になる問題もありますし、あるいは、昨年九月に私が指摘をした加茂郡富加町、町域の四分の一、町域内の山林の五十数%、これがゴルフ場になる、そんなばかげたということも言いましたけれども、ここの町長さんは、ゴルフ場は緑で、工場が来るよりいいというふうに言っておられるわけですから、こういう人の意見を第一義的に尊重してもらっては大変困るわけです。そういう点では、ゴルフ場についてはやっぱり十分住民の意見を聞いて、そして、県の総合的な要綱、これをつくって、その方向でそれに反する市町村長には指導をするということを中心にして対応すべきではないのかというふうに思いますが。あるいは、きのうの答弁を聞いておっても、住民の意向が県の方針の中には全く出てきません。その点について、住民の意向を十分重視するということが基本でなければならないのではないかと思うけれども、その点について知事の見解をお尋ねしておきたいと思います。 次に、穂積町の問題で昨日細かく出ておりますので、細かく申し上げませんが、一つだけこの点でお尋ねをしたいと思います。それは、この穂積町という町の体質、これは実はかつて県庁汚職で、もともと穂積農協の問題から出発をいたしました。そして、その後、私もこの議場で繰り返し追及をいたしましたが、あの子供服のヤマト、あれの倒産に穂積農協が実は不正融資をやっておった。こういう問題も指摘をしました。このときに、穂積農協の組合長 松野幸泰さん、そして、農協の理事 松野 友さん、こういう人たちは、ほとんど最初のときには河合さんという副組合長、そして、二回目のときには野中さんという副組合長に全部責任を転嫁して、そして、わしゃ知らぬと言って逃げてきました。私は、ここで繰り返し追及をしてまいりましたけれども、今度も松野、今では前町長ですけれども、部下が違法をやったので責任をとってやめるという言い方で自分の責任回避を、これは前のときと結局一緒ではないのか。こういう一連の問題に対して厳しい指摘がありながらそれを適当に済ましてきた、そこのところが実は今度のこういう問題を生み出した重要な原因ではないのか。その点でこれを放置してきた、あるいはまた、昨年ノバの不法建築で指摘をいたしましたが、そのときに上松前知事が私のところへ電話をして、大変立腹して電話をかけてこられた。私は、議会で責任を持って議員の質問に対して電話で抗議をする、あるいは名誉棄損で訴えるなどというのはいかにも重大な問題だと思いましたけれども、それはともかくとして、そのノバの不法建築に手を貸したのではないかという重大な疑いもある、そういう中で、上松知事の姿勢を継承しておる現知事は、この問題についてそういう立場からどう責任を感じておられるのか、その点についてだけ質問をし、先へ進みたいと思います。 次に、岐環協の問題でお尋ねをいたします。 御承知のように、昨年十二月五日から業務放棄をやり、全県の住民のふん尿たんといいますか、大変な騒動を起こしたあの事件、私はことしに入って知ったんですけれど、あれで市町村が受けた損害、何と県内の市町村総合計で二億四千六百万円といいます。これは当然原因者があるんですから、個々の業務放棄を、これはもう許可を受けていない業者はできぬわけですから、業務放棄をし迷惑をかけたところに損害賠償をすべきだと思っておったんですけれども、昨年の合意では間接強制は取り下げる、こういう合意がされておりますけれども、何とその損害を業者に請求するのではなしに特別交付税で申請をして、これで手当てをしてもらったということが三月議会の後に明らかになってまいりました。私は、これはおかしいと思う。交付税で措置すべきではなしに、当然その損害を与えた業者に請求をすべきであると、こういう立場で私は考えておった。そういうことを我が党の衆議院議員の吉井英勝議員に相談をしたところが、地方行政委員としての立場から、問題が重要だから一遍地方行政委員会で問題を明確にしてみるということで、この問題を具体的に明らかにしながら、特交で措置をしたことが正当であったのかどうかという点について、その答弁の部分、これは奥田国務大臣の答弁を御紹介いたしますので、それについて知事にお尋ねをしたいと思うんです。 奥田国務大臣、「先ほどから聞いておって、住民の人は大変なことだし、まことに臭い話で、解決の仕方もいいかげんな形でやったなという思いです。確かに、どういう事情があってかストライキを起こしたわけでしょうが、他方それによって市町村自治体が大変な出費を強いられた。自治体として当然、当事者間での損害賠償をめぐる法的な手だてはやるべきです。住民にそれだけの被害を与えたわけですから」、こういうことを言っておられます。そして、その後、「他方、恐らく県が中に入って特交で措置してくれという泣きが入ってきたのじゃないかと思うのですけれども、先ほど来の財政局長の話を聞いていると、現実に不時の出費で自治体としては大変困った。そういうことで、交付税の趣旨からいって、そういった形で特別措置をしたというような話でございましたけれども、法的にどうこうとは別として、これはすっきりした話ではないように思います。それは自治体としてもあるべき姿で、相手方に対して正当に損害賠償を請求して、そして、新たに認可して事業を再開させるならさせる、どういう形で決着するかは別として、けじめはつけるべきであろうと聞いておりました」。これが奥田国務大臣の答弁であります。この答弁と、現実に泣きを入れて特交の申請をし、市町村の損害賠償を進めておらない、こういう状況の中で、知事はどうこの答弁を受けとめられておられるのか。そして、こういう大臣の言うようなけじめをつける意思があるのかどうか、その点についてお尋ねをいたします。 そういう立場では、私は、一つおかしいと思うのは、昨年のあの合意事項で損害賠償をやるともやらぬとも言いませんが、間接強制の申し立てを取り下げる、こういうことを合意で言っておることは当を得ておらないというふうに思いますし、ここにまた、この合意書に知事やあるいは県議会議長、市長会長あるいは町村会長などが署名をしておられますけれども、そのほかに立会人として議員の名前があるが、一体これはどういうことなのか、その点についてももう一度お尋ねをしておきたいと思います。 さらに、こういうふうに大臣が答えておるけれども、市町村に対して損害賠償をやれという指導をされる意志があるかどうかお尋ねをしますし、損害賠償をやって損害賠償金がもし入ったときに、一体前にもらった特交はどうなるのか、その点についてもお尋ねをしておきたい。 そして、もう一点、廃対協が確認書を岐環協との間でことしに入ってからつくっておりますけれども、廃対協という協議会の性格からいって、岐環協と確認書を結ぶ性格というのは理解しにくいですし、さらには、こういうことをやるから、岐環協は、ことしになってからも廃対協と確認書を結びながら、一方では岐環協が県を相手に一億円の損害賠償の訴訟を行ってくる、こういうばかげた行為をとってきております。こんなあいまいのまま決着をするならば再びこのような混乱が起きる、そういうことが予測されますので、私は徹底的にこれについてはさらに問題をただしていく、そういう決意で廃対協についてもこのような行為についてお尋ねをしたいと思います。 次に、第二次交通戦争と言われる現状についてお尋ねをいたします。 御承知のように、もう年間一万人を超える交通事故死亡者が出るようになりました。かつて一九七〇年代に一万六千人を超えた、そういう状況の中で、当時日本共産党は国会で、これは交通安全施設等の対応がおくれておる、そういう点に充実すべきだという要求をして、当時の佐藤総理が、共産党が言おうがどこが言おうがいいことはいいことだと言って、この交通安全施設の予算をふやしたといういきさつがありますけれども、それから既に二十年、その交通安全施設の予算をふやしたおかげで交通死亡者が激減をしました。ところが、今日再び一万人を超すこの経過を見てみますと、車は三倍以上、免許取得者は二倍以上にふえてきております。こういう状態に対応できる施設が十分にできておらない。そういうところが実は問題ではないのか、そういう点で、私は、一つは交通安全施設への大幅な予算増をとって、具体的に物理的に対応すべきだということを思いますが、それについての基本的な土木部長の姿勢を。 そして、警察本部長にお尋ねをしたいんですけれども、交通安全施設の重要なものに信号機があります。この信号機の設置を要望しますと、交差点改良ができておらないから設置できませんと言うんです。もちろん交差点改良をやることが第一でしょう。しかし、なかなかできない。しかし、現実には、電柱一本どければ信号をつけて右折、左折もできるようなところもあるわけです。そういうようなところは、現実にこうすればできるというようなできる方向でこれらを認識しながら、調査をしながら積極的にこれを進めていくという柔軟な姿勢が必要ではないのか。交差点改良をやらなきゃできぬ、こういう姿勢ではなしに、もっと積極的にやるべきだというふうに思います。 さらに、あちらこちらで交通事故のもとになる、特に子供の飛び出しなどで不法駐車問題が問題になっております。私は、どうしても商業活動などでちょっと置いたときに張られる、そんなものもしようがないと言っておるんじゃなしに、そういう点は十分に目をあくべきだと思いますけれども、不当な駐車に対しては厳しくやるべきだ、そういう点でよく見ておりますと、岐阜市役所の北側で、ちょっと商業活動あるいは役所へちょっと用があって、駐車場が満杯ですから置いて入って、帰ってくると駐車違反が張られておったというケースをよく聞きます。ところが、同じ岐阜市内で、御承知の忠節橋から金華橋までの間の堤防道路の南側は、あれは駐車してもよろしいところになっております。よろしいところになるとここはどうですか、既にナンバーを外した廃車が、もう何カ月も、おととしの未来博以来置いてあるのが見受けられる。こういうのがちっとも対応してもらえぬなという不満が出てきておるわけです。私はそういう点で、形式ではなしに生きた必要な対応をすべきだというふうに思い、そういう姿勢についてお尋ねをする次第です。 さらに、もう一つは、県庁の駐車場の問題があります。予定時刻をオーバーしておりますので簡単に言いますが、この間、実は朝、県庁周辺の駐車場の実態を写しました。まだ外来者駐車場が満杯にならない九時少し前に写したんですけれど、県庁周辺の道路は既に満杯です。これは一遍現状を見せておきたいと思います。(資料を示す)これはもちろん県庁の職員ばかりとは言いません。しかし、県庁の職員の車も相当たくさんここに置いてあります。置かざるを得ぬのです。なぜなら、今、県庁の職員が乗ってくる車の台数、平均して年間を通して一日千七百六十三台、これに対して実際の持っておる台数は二千五百五十七台、そのうち実際に年間を通して平均して来る台数が千七百六十三、そして、この周辺に職員の駐車場であるのが千六百二十七、ここには絶対的に百四十台はあふれるようにできています。そうすると、それがこの県庁周りの道路を全部埋めておる、そういう中に職員が圧倒的にある、そうならざるを得ぬという状況を説明して、これに対してどう対応されるのかお尋ねをしておきたいと思います。大いに道路にどんどん置いてもいいではないかということなのかどうか、ちょっと嫌みも言いつつ聞いておきたいと思います。 次に、知事に、これは時間が過ぎてますから、とりあえずさきの今年度予算で決めたあの一村一顧問制度というようなものは一体どういう内容なのか、そのことだけまずお尋ねをしたいと思います。なかなか知事の思っておられるようなふうに一市町村一顧問制度が進んでおらないようなことも聞きますので、この制度についてお尋ねをしたいと思います。 次に、県営圃場整備の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 県営圃場整備で白鳥町の為真工区というところの圃場整備事業があります。この圃場整備事業でことし実は監査がやられました。この県営圃場整備事業の中の一任意組合の監査ですけれど、この監査の発表される前の報告原案を見て私は驚いたんです。なぜなら、監査の対象となった会計年度、昭和五十五年度から平成元年度までの十年度分と書いてある。そして、監査のこの中に、この十年間ということに対して、十年間で四億八千万余の総事業費と一億二千万円余の受益者負担金、その他関連三千三百万、合計六億三千三百万となる大事業で、公的な事業会計でもあり、年一回以上の会計監査を行うべきであるのに、今まで一度も監査がなされていなかったことはまことに遺憾でありますという監査報告の原案ができるなんていうことは、驚くべき状況ではないかと思います。 それで、私はそのことを今どうこうということで、時間がないので細かく申し上げることはできませんが、なぜ十年間も監査がやられなかったのか、そして、ここは自己負担金については町が相当部分補助を出しております。その補助が町からある組合へ行き、それが多過ぎたんで、通常多過ぎれば組合へ返します。そして、別の組合へ行くなら行くんです。ところが、町からその任意組合へ来た。ちょっと多過ぎたからといって、別の任意組合へ公金がそっちへ渡されるというような扱いがどうもされておるようです。こんなばかな公金の扱いはありませんし、こんなことをやれば不正を生むに決まっておるわけです。そういう点で、こういう事実があるのかどうか。 さらに、この換地などあるいは剰余地の整理などで、特定個人の特別の利益を生んでおるんではないかというように思われる節がありますし、そういう指摘もありますけれども、そういうことがあるのかどうか。 さらに、こういうことがあるために、地域社会で混乱あるいは不信や対立を生んでおると。実はこの問題で一番心配した我が党の白鳥の鷲見隆夫町会議員が心配をして私へ相談があったんですけれども、その心配は、こんなことをやったら、今すぐ東海北陸自動車道路の用地買収、中部縦貫道路の用地買収をやらないかぬけれども、こんな対立、不信ができたら用買ができぬのだということで、大変心配をしてこれについて相談に来ておるわけですけれども、こういうような状況になってくる。こういう点について、今まで県営圃場整備でありながら、どうやら主体性を持って対応しておらないと思われるんですけれど、その点についてどう県としてこの問題について考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。 時間がどんどんなくなってきますので、あわてて申しわけないんですけれど、次に、発言通告にある排水路使用協力金問題についてということで、お尋ねをいたす次第でありますけれども、これは、岐南町役場殿として、平成元年七月二十日付で、実は岐南町の霜田十九番地に旅館をつくるけれども、羽島用水の水路利用及び用水協力金として五百万円を組合が受け取ったんで、町の方でその申請の受け付けを御配慮お願いしますというコピーが送られてきました。これは実はいろいろ調べたんですけれども、ここに書いてある署名は、きれいな字が書いてありますけれども、その人の字でないことは明らかです。そして、その責任者は当時病気のために右手が使えずに署名が十分できる状況でもありません。ただ、その後に押してある羽島用水土地改良区理事長の印というのは、これはコピーではあるけれども現物をコピーしたものというふうに認定をされるわけです。だから、これは実は少し問題が大きいと思うんです。もしこんなものがでっち上げとするなら、少なくとも羽島用水土地改良区の公印をこういうふうに悪用するという点では大変重大な問題です。しかも五百万受け取ったとか受け取らぬとか、受け付けで御配慮願いますということで使った印鑑ですから。ただ私もコピーですから、こういうものを土地改良区が押したというふうに断定はしません。ほかの何かにあったその印鑑をこっちへ持ってきてコピーをとることができますから。それで、とりあえずは怪文書というふうに申し上げたいと思います。しかし、怪文書にしてはこれまた現実に不思議なことがあります。それはどういうことかというと、実は、ここは今、岐南町平成一丁目三十五番地というふうになって、ホテルロイヤルクレスト、こういう名前で運営されています。まあ俗に言うモーテルというふうに私どもは思うんですけれども、ここは先ほどのこの怪文書と言われた中の利用人 水野善夫、こういう名前になってますけれども、この水野善夫という人がこの羽島用水土地改良区へ排水を流すからと言って申請をし、その協力費として七十二万円現実に納めておることは事実なんです。このことは土地改良区が認めておるんです。それでは水野善夫という人がこのホテルをつくったのかというと、どうも実に奇妙なんです。その一つは、このホテルの建設の確認申請、これを見ますと、建築主の氏名、水野善夫になっています。ところが、この水野善夫から建築主変更で本年二月十四日に有限会社サンエール代表 浅井幸子、こういう浅井幸子というふうに変更されております。そして、これはことしの二月です。この確認申請がおりたのはいつかというと、去年の七月十八日なんです。そして、じゃこのときにこの土地の所有者はだれであったのかといったら、実は去年の四月にトヨタ家庭用機器中部販売株式会社から一宮の浅井謙利という人が土地を買い受けています。そして、この土地がセントラルリース、これは普通の都銀やあれと違いますけれども、セントラルリースというところから合わせて九億二千万ほど根抵当に入れておりますが、この土地は今言った浅井さん、そして、このでき上がった建物は最初から保存登記は有限会社サンエールになっています。この有限会社サンエールを見てみますと、一宮市、浅井幸子、そして、役員が三人おりますけれども、三人とも同住所で、浅井幸子、浅井芳子、浅井文吾になっています。そして、土地の所有者は同番地の浅井謙利になっています。これを既に浅井の所有の土地でありながら水野が建築確認を出しておるという状況であります。しかも、このころモーテル建設反対で住民が大運動をやっています。その住民の大運動のところへこの怪文書に名前が出てくる岡本さんという人も顔を出しておったということは地元の人が確認をされておるわけです。そして、これに同意したことは一度もないと言われるこの岐南町長さん、実は昨年の八月に既にこの水野善夫あてにこのモーテルの排水のための道路占用許可を出してます。実に奇妙な話であります。しかも、この水野善夫さんの名前になる前のトヨタ家庭用機器中部販売所の土地であるころに、何と水野さんが道路占用許可申請を出しています。この許可申請に岐阜県羽島警察署が昨年の二月二十八日付で受け付けをやっています。例えば、岐阜市で建築確認の申請をやります。そうすると、「これは自分の土地ですか」、「借地です」、「借地なら地主との借地契約を参考のために出してください」というようなことをやるわけです。水野さんの土地でもない、水野さん何にも関係がないのに何でこんなものに許可をしたのかという疑問が残るわけです。警察もなぜこんなものを受け付けたのか。通常警察へ何か申請を出すと、これはどういうことですかといっていろいろ聞かれるもんですけれども、水野さんは何も関係がないのにどうしてこんなことが無条件で受け付けされておるのか実に不思議であります。 同時に、これは土木部長にお尋ねをしておきたいんですけれども、こんな建築確認、全然だれの土地かもわからへん、本当にこれを建てる人なのかどうかも全くわからぬ、そういう者に例えば土地の証明書をつけるとか、賃貸借証明書を要求するとか、ましてや当時、岐南町ではモーテル反対で住民運動が起きておるその後ですから、どうしてこういうものを十分に住民に納得できる対応をするように、調査をせずに全然知らぬままで、しかも町長はこの建設に同意したことは一遍もないと言っておる。こんな地元の町長が同意をせぬのに、何で県は確認の許可をおろしたのか、実に奇妙であります。その点についてもお尋ねをしておきたいと思います。 ただ、ここの中で水野善夫という人とサンエールという人の関係がどこかで結びつくとするなら、有限会社サンエール、これは役員はさっき言ったとおりですが、昨年の一月十三日に設立されました。この設立はどこでやったのかといったら、名古屋市南区鶴里町一丁目五十八番地、第二メゾン春日野、こういうところに本社を置いて設立しました。水野善夫さんの住所はというと、名古屋市南区鶴里町一丁目五十六番地です。このサンエールは五十八番地で二番地違うだけなんです。ここに何かのつながりがあるのではないかということも想定されるわけであります。そしていま一つ、この羽島では、前にも私はこれは矛盾を感じたんですけれども、同じ羽島で家をつくっても、桑原用水の流域につくると排水協力金というのは必要ないんです。ここは排水がありませんから。羽島用水土地改良区の区域で家をつくると、何と協力金を出してくれと言われて、百平米単位で一般の家庭だと一万五千円、営業用倉庫などやと三万円、だから、さっきの協力金七十二万円というのは実は二千四百平米強の建物ですから、だから、二十四戸分として三万円を掛けた七十二万円を既に水野さんから取っておるという形になっておるわけです。実に奇妙です。 今、ゼロになりましたので、最後に、排水をしておるから協力金を取っておるんで承知しております。これを排水に責任を持つ土木の方から排水機の維持、管理の委託金として出すことによって住民から取らないようにすればこういう事件は起きぬのではないかというふうに思いますし、この怪文書、あるいは事実かもわかりませんが、こんな大変な事実がある。警察もそんなところで昨年二月に受け付けておる。これは重大問題です。社会的混乱など、あるいは公印が悪用されておる、こういうところからいくならば警察は直ちに捜査をすべきであると思うが、そういう意思ありや否や。そして、この道路占用の昨年の二月に関係のない水野という人から羽島警察署が受け付けたのはなぜなのか、その点についてお尋ねをして、私の質問を終わります。 以上。 ○副議長(古川利雄君) 知事 梶原 拓君。    〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 最初に、長良川河口堰の魚道についてお答えを申し上げます。 長良川河口堰は堰でございまして、長良川には既に御承知のとおり上流に十四のせきがございます。そうしたせきと同じように、常に水が流れているというのが状態でございます。ダムではございませんので、そういう状態が通常であると、こういうことでございます。それで、通常の状態でございますれば、そのメーンゲートの上を水が流れますので、そこを魚がさかのぼることができると。この点につきましては、上流部の十四のせきと同様でございます。そして、なおかつメーンゲートの構造、それから、操作につきましても魚類が遡上しやすいようにと、そういう配慮をするように要望をいたしておるわけでございます。 しかしながら、きのうも御答弁申し上げましたが、特定の場合にはなかなか魚が上れないということでございます。特定の場合とは、新月、満月に近い干満の潮位差が大きいとき、その干潮のときでございます。あるいは渇水の状態が生じたときでございます。そういう特別の場合もございますし、そして、やはり魚によって泳ぐ力の強弱がある。そして、より魚類が遡上しやすいようにすべきだということで、上流のせきも特別の魚道を設けておりますし、また、この河口堰におきましても特別のすぐれた最新鋭の魚道をつくりまして、いつでも容易に魚が遡上できるように配慮をしているところでございます。 それから、二番目に、アユのふ化したばかりの仔魚の問題についてでございます。 アユの仔魚、言うならばアユの赤ん坊でございますが、現時点では、この取水施設の位置とか構造等が具体的にされていませんので、数量的には申し上げられませんが、赤ん坊でございますので泳ぐ力が弱い。自然のままでございますれば、この取水口というものをつくれば、その河川を流れる水量と、それからよそに持っていく水量、その割合に応じましてこのアユの赤ん坊が吸い込まれていくと、こういうことであろうと思うわけでございます。そこで、以前からなるべく取水口に吸い込まれないようにということでいろいろ研究もされておりまして、取水口の方の構造とか、操作自体でなるべく赤ん坊が迷い込まないようにと、こういう工夫をするということが必要でございますが、これはなかなか限界があることでございます。このために本格的なアユの赤ん坊が迷入しないようにということで、堰本体の付近に、言うなればバイパス水路というような形で人工河川を設けまして、アユの自然産卵をさせたり、あるいは長良川でとりましたアユ親から採卵したアユの卵を施設内でふ化させる。そして、ふ化した子アユを安全にこの人工河川を通じて堰の下流部に流すと、こういうことによってアユ資源の確保を図ろうと、こういうことでございます。 それから、ゴルフ場の問題でございます。地方自治の本旨に従えば、地域住民の選挙で代表として出られました地元市町村長の意見を尊重するということは当然であろうというふうに思います。そして、県としては、従来も地元市町村長さんが意見具申される場合に、ゴルフ場、適否両方ございます。適というのもございますし、否というのもございますが、県としては、当該地域における土地利用計画との整合性、自然環境等への影響、快適環境の形成可能性、地域社会との調和等について十分審査しまして判断する、こういう趣旨でございますので御了承いただきたいと思います。 それから、穂積町の問題でございます。 今さら申し上げるまでもないんでございますが、選挙の都度市町村の行政をどのような人物にゆだねるかということは、その地域の住民が選択することでございまして、それがまさに地方自治の本旨であろうというふうに思います。穂積町におかれましては、現松野町長さんが四十三年余にわたって町政を担当してこられたことも、選挙における住民の選択の結果であろうと考えておるところでございます。県といたしましては、県内九十九市町村ございますが、その一つとして、穂積町に対しましてその行政運営が円滑に行われますよう、県の行政権限の範囲内ではございますが指導してまいりましたし、また今後もそのように対処してまいりたいと思っております。 それから、岐環協問題でございます。 自治大臣の国会答弁に関連していろいろお尋ねがございました。昨年十二月の岐環協の業務放棄の問題につきましては、国会でも論議されているようでございますが、六項目の合意ということによりまして解決が図られたわけでございます。こうした形の解決は、当時の状況の中で私どもは最善の策を選択したというふうに考えておるわけでございまして、その点につきまして私どもは確信を持っておるわけでございます。 それから、特別交付税関係につきまして、この業務放棄により市町村において相当額の不時の出費があったので、平成元年度の特別交付税の決定に際し、これらの事情についても配慮されるよう国に要望したところでございます。これは別に泣きを入れるということではございませんで、その不時の出費という財政需要が当該年度に発生したということで、当然に特別交付税の対象になり得るということで要望したわけでございます。 国におきましては、このような特別な財政需要があったことも配慮されまして、特別交付税の交付を決定されたというふうに認識をいたしております。今申し上げましたように、特別交付税は本来当該年度に特別の財政需要、不時の出費というような財政事情が発生しているかどうか、そのこと自体に着目して交付されるという性格のものでございます。特別交付税の決定に際してこういう事情が配慮されたということと、損害賠償請求とは別個の問題であるということでございます。なお、損害賠償請求につきましては、個々の市町村で事情も違いますし、それぞれ適切に判断されるべき問題であるというふうに考えております。 最後に、一村一顧問制度についてのお尋ねがございました。 今年度から始めた制度でございますが、これは地域づくりにつきまして関心と見識を持った全国的な著名人、有識者に県下市町村の顧問として就任していただき、地域づくりに関する助言をちょうだいしようとするものでございまして、今後は原則として無報酬で県が旅費を負担するというものでございます。本年度は、実施を希望する市町村から三市町村を選びまして、モデル的に実施したいというふうに考えております。 県といたしましては、この制度を希望する市町村の意見を聞きながら、適当なものにつきましてはこれを支援するという立場で進めてまいりたいと思っております。 ○副議長(古川利雄君) 総務部長 永倉八郎君。    〔総務部長 永倉八郎君登壇〕 ◎総務部長(永倉八郎君) 岐環協の業務放棄に係ります特別交付税についての御質問のうち、損害賠償金が市町村に入ったときに特別交付税はどうなるのかという御質問でございますが、損害賠償金が市町村に入ったときは、その状況に応じ市町村が損害賠償金を収納したという事情も踏まえながら、当該収納した年度の特別交付税が決定されるものと、このように考えております。 次に、庁舎周辺における路上駐車対策についてでございますが、県庁敷地内の駐車能力は、県職員、外来者を含めまして千八百余台でございます。しかしながら、県庁移転当時はともかくといたしまして、現在では車通勤者の増加や一般県民の外来者数も増大いたしまして駐車スペースの不足が生じ、議員御指摘のような状況になっております。これをよしとするものではございませんが、そこで、現在県庁敷地全体の効率利用を含め、駐車スペースの確保について再検討を進めているところでありまして、職員につきましてもできる限り他の交通手段による通勤などの協力を求めてまいりたいと、このように考えております。 ○副議長(古川利雄君) 衛生環境部長 井口恒男君。    〔衛生環境部長 井口恒男君登壇〕 ◎衛生環境部長(井口恒男君) 岐環協問題のうち、二点につきましてお答え申し上げます。 まず、一点の合意事項に関連しましてでございますが、合意事項でのお二人の先生に御署名をいただいたわけでございますが、これにつきましては、県市町村合同会議の協議によりまして、信望ある名誉県民として、経験豊富な県議会議員として最もふさわしいということで立会人としてお願いしたわけでございます。 次に、廃対協についてでございますが、これは正規には岐阜県市町村廃棄物処理事業対策協議会ということになっておりまして、昭和六十二年の五月に廃棄物処理事業について調査、研究し、もって市町村の廃棄物処理事業の円滑な運営を図るということを目的としました協議会でございます。今回の確認書につきましては、昨年十二月の合意事項を尊重し、廃対協の活動の一環としてこの確認書が取り交されたものというふうに考えておるところでございます。 ○副議長(古川利雄君) 農政部長 名知和男君。    〔農政部長 名知和男君登壇〕 ◎農政部長(名知和男君) 御質問の第一点のゴルフ場の農薬の使用実態調査結果についてお答えします。 平成元年度の最終の取りまとめ結果では、県下五十六ゴルフ場における年間の農薬使用量は、十八ホール換算で平均千五百二十九キロ、最高三千四百十五キロ、最低七十六キロでありました。農薬の使用量の抑制につきましては、当面昨年度の県下の農薬の使用実績、平均千五百二十九キロを基本として農薬使用量を半減させることを目標に抑制することとし、さらに三分の一、四分の一へと段階的に減少を図るよう指導に努めてまいる所存でございます。この目標の達成を図るため、ゴルフ場農薬適正使用検討委員会を設置し、変化に富んだ本県の気象条件に的確に対応でき、その地域に合った防除計画の樹立ができるような実効性のある防除指針を策定することとしておりますので、御理解をお願いします。 御質問第二点、白鳥町の県営圃場整備事業に係る問題についてお答えをします。 御指摘の組合に対する現段階の調査では、会計経理に伴うものあるいは換地に伴うものにつきまして不正というものはなかったと信じております。しかしながら、十年間内部監査が行われなかったことはまことに遺憾でございます。この県営圃場整備事業では、集落ごとに幾つかの自主的な土地改良組合がつくられており、事業の実施、換地計画の原案作成などの重要な役割を果たしております。また、こうした組合は、集落各戸の合意と融和を図り、土地改良事業を通じて地域の安定と活性化を高める最も基礎的な団体と考えております。最近、これら組合の一部で、組合の運営に伴い組合内部に摩擦を生じ、それが組合員相互の不信にまで発達したことについては承知をしております。こうした事態は事業の推進に障害となるばかりでなく、長年にわたって培われた集落の合意と融和をも崩しかねないと思われます。県はこのような事態とならないよう、白鳥町とともに今後組合の適正な経理及び運営について指導してまいりたいと考えております。 また、県下の県営事業につきましても、事業主体としてこれまで以上に関係組合の管理運営指導を強化し、事業の適正な推進に当たる所存でございます。 ○副議長(古川利雄君) 土木部長 山岸俊之君。    〔土木部長 山岸俊之君登壇〕 ◎土木部長(山岸俊之君) まず最初に、長良川河口堰に関連しましてお答えいたします。 長良川下流部の流量についてでございますが、二百トンを超える日数につきましては、平均すると年間五十日から六十日あると聞いております。また、御承知のように、長良川河口堰は塩水の遡上を防止するために設置するもので、ダムのように流水を貯留するための施設ではなく、常にメーンゲートを越えて水が流れる構造となっておりまして、ダム湖のように著しい堆積を生じることはないと考えております。また、若干の堆積がある場合でも、洪水時は当然のことといたしまして、流量が毎秒二百立方メートルを超えるときはゲートを開放し、沈殿物質をフラッシュ効果により流下させますので、議員からお話のありましたように、冬期間にフラッシュ回数が減ったとしましても、堆積が年を越えて累積する心配はないと考えております。 次に、ゴルフ場の関連でございますが、ゴルフ場の開発によるいわゆる流出がふえる問題に対しましては、昨日も申し上げましたけれども、土地開発指導要綱に基づきまして、調整池を設置することなどにより対応することとしております。また、新たに定められますゴルフ場環境管理に関する指導要綱に基づきまして、調整池の適正な管理の指導を強化してまいりたいと思います。 それから、昨年の土岐川の出水についてでございますが、九月二日から連日のように降雨がありましたところへ、九月十九日、二十日にまたがりまして二度にわたる集中豪雨がありました。最初の豪雨出水がおさまらないうちに二度目の豪雨出水が重なったために、異常に水位が上昇したことが被災の一因と考えられます。いずれにいたしましても、九月二十日災害のような土岐川本川沿いの浸水被害を軽減するためには、土岐川本川の安全度を向上させることが基本的に重要でありまして、本川の改修促進及び小里川ダムの早期完成に努力してまいりたいと考えております。 次に、第二次交通戦争に関連してでございますが、交通安全対策についてでございますが、交通事故の防止対策につきましては、いろいろな面からの対策が考えられますが、道路管理者の立場からいたしますと、新しくバイパスをつくったり改築したりする場合には、事故の起こらないよう安全面に十分考慮した道路施設を設けていきます。また、交通安全上問題のある道路につきましては、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づきます第四次交通安全施設等整備事業五箇年計画に基づきまして、歩道や自転車道の設置、防護さくとか道路照明灯の設置などの対策を講じてきております。なお、来年度でございますが、平成三年度から始まる第五次交通安全施設等整備事業五箇年計画では、運転者のための休憩施設、追い抜きをさせるための付加車線、ペデストリアンデッキ、いわゆる歩行者の利用しやすい歩道橋などの新しい施設についても検討がなされております。今後とも交通安全施設の充実を図りまして、交通事故の発生防止に努めてまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。 次に、排水路の使用協力金問題についてでございます。現在岐南町では、排水対策の一つとして、県が施行しております木曽川右岸流域下水道の流域関連公共下水道事業を鋭意進めているところでございまして、議員御指摘の八剣地区につきましては、平成四年度に整備される予定でございます。また、救済策についてでございますが、何分とも岐南町におきまして鋭意下水道事業を推進しているところでございますので、御理解を賜りたいと思います。 それから、建築基準法の確認申請の審査に関連してでございますが、建築基準法では建築主の土地に対する権原の有無等については審査対象とはなっておりません。しかし、議員御指摘のように、特別のケースにつきましては今後検討をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(古川利雄君) 警察本部長 遠藤豊孝君。    〔警察本部長 遠藤豊孝君登壇〕 ◎警察本部長(遠藤豊孝君) お答えをいたします。 第一点の信号機の設置でございます。我々のこれまでの経験によりますと、信号機を設置することによりまして交差点における人身事故を七〇%から七五%減少させることができます。議員御質問にありましたように、信号機というのはこのように交通事故を防止する上で大変大きな役割を果たしております。なお、信号機の設置要望があった場合に、警察の方から交差点の改良が必要であるということをお願いすることがありますが、これもやはり議員の御質問にありましたように、そのとおりでございます。 その理由ですが、交差点近くの道路幅員が例えば狭い場合には、その狭い道路で信号待ちをしている車がありますと、右左折で入ってくる車がすれ違えないというようなことがありまして、交差点をふさいでしまうというようなことがございますし、また、交差点の形状が複雑な場合には信号処理も複雑になりまして、交通渋滞などの新たな問題も発生するということがあります。こういう場合には、道路管理者にお願いをして道路を広げてもらいましたり、あるいは地域の方々の御理解をいただいて、警察の方で一方通行など交通規制をあわせて行って、交通が流れやすい状況をつくってから信号機を設置しております。いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、信号機は交通事故防止上大変効果が高いものでありますから、ただいま申し上げましたような方法で信号機設置の条件、すなわち車の流れやすい条件をつくりながら、できる限り必要な場所には信号機が設置できるように努めてまいりたいと思っております。 それから、第二点の駐車問題でございますが、車の保有率が高くなってまいりまして、違法駐車、大変交通の安全上、円滑上も重大な問題になっております。現在、主な道路は駐車禁止の規制がなされておりますが、これをすべて取り締まるということは不可能でもあり、また、現実的な話でもありません。したがいまして、必要の高い地域、路線を重点に取り締まりをいたしたい、このようにして、違法駐車に対しましては、実態に応じためり張りのきいた取り締まりを心がけたいというふうに考えております。 第三点、羽島用水土地改良区の公印が押された文書についてでございますが、議員の御質問の内容から、どのような犯罪が成立するか一概に判断いたしかねます。なお、犯罪として問擬すべきものがありますれば、事実に基づき法律に照らして捜査をするというのが警察の姿勢でございます。 第四点、なぜ道路使用許可をしたのかということでございますが、議員の御質問の内容から判断いたしますと、恐らく岐南町の町道でありまして、岐南町の役場に排水口設置のための占用許可という申請が出されて、町の方では警察に対して、そのような場合に道路交通管理上差し支えがあるかないかということを協議することになっている、そういうシステムになっていると思いますが、その際、警察といたしましては、交通安全上あるいは円滑上の観点から、いいとか悪いとかという返事をすることになっております。この場合、主たる判断要素は交通処理でございますから、必ずしも権利関係がどうであるとかということは重要な判断要素になっておりません。そういう関係で、羽島署の方ではそのような問題なしという答えをしているものと思います。 ○副議長(古川利雄君) 二十三番 片桐義之君。    〔二十三番 片桐義之君登壇〕 ◆二十三番(片桐義之君) 大変いい答弁もありましたし、どうも納得しがたい答弁もありました。 そこで、いろいろ再質問をしたいことがありますけれども、再質問は簡略にという声も今立ったときにありますので、二、三の問題についてだけ絞ってお尋ねをしたいと思います。 一つは、岐環協の問題で、知事の答弁で、泣きを入れたわけではないというふうに言っておられますけれども、大臣自身がけじめがついておらぬ妙な解決をしたなということを言っておるわけです。これは、相当その前に具体的事実のやり取りがあって、だから、その点はやっぱり自治大臣の言っておる言葉ということも謙虚に受けとめる必要もあるんではないか、もっとけじめをつけるべきだ、そう言っておりますので、その点について、これでそれではけじめがついたというふうに知事はお考えかどうか、その点一点お尋ねをしておきます。 それから衛生環境部長、廃対協のことを言われましたけれど、実は廃対協でその料金なども標準を決めるようなことをやっておるんです、現実に。だから、これは許可業者について条例で料金を決めるなというのは、独禁法との関係で言われておる。にもかかわらず、地域でいろんな事情が違うのに、廃対協で標準の料金を決めるなんていうことは、これはやっぱり独禁法の立場から言ったって間違いではないのか。そのおかげで岐阜県は、廃対協が岐環協に押し切られてどんな料金になっておるかというと、岐阜県平均百八十五円で見て、愛知県は百十六円で六十九円安いんです。あるいは、三重県は八十五円で百円安いんです。そして、静岡県は百四十八円で三十七円安い、滋賀県は百六円で七十九円安い、長野県は百四円で八十一円安い、この岐阜の周り全部と比較しても岐阜はむちゃくちゃ高い。こういうふうになっておるから廃対協がおかしな役割を果たしておるんやないかと、そういうことを言っておるわけですから、それについてもう一度お尋ねをいたします。 総務部長には、来客も職員もあわせてなるべく乗ってこぬように指導するというふうではなしに、駐車場をどうふやすのかという立場で考えるべきだということをとりあえず主張だけしておいて、先へ進みます。 それから、農政部長の答弁で白鳥の圃場整備、もう再質問はしませんけれども、特定の個人に特別に利益を与えたという疑いが多分にありますので、これはまた具体的にさらに調査をして、またいろいろ問題提起をするということで終わりたいと思います。 それで、一つは、一村一顧問制度について、知事の言ったことと現実に現場で起きておることが違うんです。どうしてかというと、知事は、市町村に顧問を置いてもらって役に立ててもらう、その旅費は県で負担をしてやろうと、それで、実はことしの四月に知事が飛騨のある町に対して、知事の友人の住宅金融公庫の総裁 高橋 進さんを顧問にどうかといって推薦をされたようですね。その町は、実は前に知事の京大時代の同級生で矢野 揚さんという人を町の顧問に、これは年間百万支出しておる。そういうこともあるんでということで言ったけれども、知事の言うことは聞いておいた方が何といったっていろいろお願いしないかぬでというようなことで、町の顧問にということで、その町の議会、全協へ諮ったそうです。そのときに、それはちょっとおかしいという議員がおって、そういう議員から私どもへ連絡があっていろいろ調べたら、今度は全協のことを一々外へ言うなというようなこともあったようですけれども、いずれにしても、そうではなしに、県の顧問を市町村に県が旅費を持って派遣をしてくるので希望をせよという、こういうことやというふうに変わってきておるそうです。そうすると、今の知事の答弁と現地で実際に市町村の中で言われておることとは違うんだと、現実に。町の具体的固有名詞は避けましたけれども、どこか御存じだと思いますので、その点についてはそれ以上言いませんけれども、こういうふうになるので、うっかりすると知事の友人、知人ばっかりで市町村の顧問を全部固めていくと、ことしは三市町村だと言いますけれども、知事の意向で市町村が全部動いてしまって、先ほど言った市町村の地方自治の本旨なんていうのはどこかへ行っちゃうという危険が多分にありますから、その点について、現実にこうなっていくという実例を申し上げて、その点について十分慎重に対応するようにということを要望しておきたいと思います。 最後に、一つは排水路の問題です。 土木部長の答弁は、岐南町についての排水協力金を言っておるんですけれど、私はそうでなしに、羽島用水土地改良区全体の中で、だから、例として羽島市の問題を出したんです。今度、木曽川右岸流域下水道が完備しても羽島市は入ってません。そうすると、桑原用水では協力金は要らぬのです。こっちは要るんです。そうすると、同じ羽島市に近所に家をつくっても、こっちへ流れるところとこっちへ流れるところは、協力金が要るところと要らぬところが出るという矛盾が起きてくる。なぜかというと、この桑原用水は排水施設を持ってませんから、これは市が当然管理するので無料と。ところが、羽島用水の方は土地改良区が管理するので、その排水機を維持していくための費用が必要だから取りますということになるんで、排水の基本はやはり土木行政にあるわけですから、土木の方から羽島用水へ排水機能の維持管理を委託するという形で、委託金を出すことによってこれは住民から取らなくてもよくなる。そうすれば、いたずらに変な問題を起こさぬのではないかという意味でお尋ねしたんで、岐南町のことだけじゃなしに全体として。その辺でもう一遍だけお尋ねしておきます。 それから、警察本部長ですけれど、犯罪の疑いがあればというふうに言われましたけれど、そこにあるように、公印が既に悪用されておるわけです。しかも、五百万なんて。固有名詞は避けましたけれども、そこにその預かり証を書いたという人の名前も、その人の署名ではないと思われますけれども、そういう名前も書いてある。しかも、その人は公職についておる人ですから大変迷惑ですよ。そういう点では、それは社会的に大問題なんです、それは。そういう点で、もしそれが全くのでたらめな捏造文書なら、そういうものをつくった犯人を当然摘発して、そして、社会的混乱をなくさなきゃいけませんし、万が一それがどういう形にしろ、間違いにしろ本物であったとするなら、これまた大問題です。そういう点では、いずれにしてもそういうものが出ておるという点では、しかも、先ほど言いましたように、このモーテルについては、土地の変遷あるいはこれの運営しておる会社の変遷、あるいは建物、そしてその資金繰り、そしてその間の道路占用からいろんないきさつ、そして、これの反対運動の住民の決起集会へ、そこに出ておる名前の人なんかが出ておるというような現実の動きから見て、極めて犯罪性の高いそういう面ですので、その点についてそれを見ながら、後ほどまたそういう動きなどについて、多分きょう初めてですから、いきなり返事をしよと言っても無理だと思いますけれど、それらの資料も提供しますので、その点については警察のもう一度決意のほどをお尋ねしておきたいというふうに思います。 ○副議長(古川利雄君) 知事 梶原 拓君。    〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 岐環協の問題につきましてお答え申し上げたいと思います。 昨年のあの十二月の押し迫った時点で、県と市町村関係者がお互いに一体となりまして、英知を集め、力を集めまして判断した結果があの解決策でございます。けじめがついたかどうかというけじめの概念がどうかということでございますが、あの時点での解決はしたと、かように思っております。今申し上げましたように、県と市町村関係者が本当に不眠不休で、それこそ命がけで取り組んだ課題でございます。それ相応のすばらしい成果が出ているわけでございまして、自治大臣におきましてむしろ高く評価されるべきであろうと、かように思っております。 それから、一村一顧問の問題についてお話がございました。具体的なお話がございましたが、私が顧問を押しつけたというようなことは一切ございません。たまたまお祭り好きの友人がおりまして、お祭りについて造詣が深いということで、応援してやってくれということは申し上げました。各市町村におきまして、いろんな形で顧問というのがございます。先ほど御説明しましたこの県の一村一顧問というような制度に乗る顧問もございますし、そうでない顧問があるわけでございます。県の制度に乗るような顧問につきましては、できれば名前を聞けばすぐわかるような著名人になってもらうのがよかろうというふうに私どもは思っておるわけでございまして、私が紹介したからどうだと、こんなような次元で決めていくものではなかろうというふうに思っております。 ○副議長(古川利雄君) 衛生環境部長 井口恒男君。    〔衛生環境部長 井口恒男君登壇〕 ◎衛生環境部長(井口恒男君) 岐環協に関連します廃対協につきましてでございます。 料金問題につきましても、調査研究の範疇の中で取り組まれておるというふうに考えております。したがいまして、料金につきましては、業者と市町村の間で最終的には決められていると、そういうふうに理解しております。 ○副議長(古川利雄君) 土木部長 山岸俊之君。    〔土木部長 山岸俊之君登壇〕 ◎土木部長(山岸俊之君) 先ほどの羽島用水の件でございますが、羽島用水は農業用水路でございますので、その管理の問題については私どもの方ではちょっとお答えを控えさせていただきますが、この救済策につきましては、今後も公共下水道につきまして、できるだけ早く下水道事業を推進することによって、それをできるだけ早くそういうことがないようにしていきたいと思いますので、よろしく御理解のほどをお願いいたします。 ○副議長(古川利雄君) 警察本部長 遠藤豊孝君。    〔警察本部長 遠藤豊孝君登壇〕 ◎警察本部長(遠藤豊孝君) 拝見をいたしましたが、明確に御答弁を申し上げるには難しい問題がございます。 いずれにいたしましても、犯罪として問擬すべきものがありますれば厳正に対処するというのが我々の姿勢でございます。 ○副議長(古川利雄君) 二十三番 片桐義之君。 ◆二十三番(片桐義之君) 簡単に自席から要望だけ申し上げておきたいと思います。 警察本部長に後ほど、先ほど言いましたようにいろんな資料をまた提供しますので。 それから土木部長、先ほど聞き忘れたんですけれど、建築確認に当たって、それだけ住民が反対しておるのに、どういういきさつも何も全然考えずに簡単に出してしまうなんていうのは、僕は、行政として法律はどうであろうと住民の立場に立っておるのか、こういうふうに思います。だから、これ以上もう聞きませんけれども、もっと県民の立場に立って、あれだけモーテル建設反対運動のさなかに、全然水野なんていうのは関係のない、その人が出してきた建築確認を、町長も同意しとらぬというのに県が勝手におろすなんていうのはもってのほかだということを強力に申し上げておきます。          …………………………………………………… ○副議長(古川利雄君) しばらく休憩いたします。 △午後三時十分休憩           …………………………………………………… △午後三時四十三分再開 ○議長(河村成勝君) 休憩前に引き続き会議を開きます。          …………………………………………………… ○議長(河村成勝君) 引き続き一般質問並びに議案の質疑を行います。十八番 山田忠雄君。    〔十八番 山田忠雄君登壇〕(拍手) ◆十八番(山田忠雄君) お許しをいただきましたので、当面する二、三の問題につきまして、質問を申し上げます。 まず最初に、本年四月、新過疎法が公布施行されました。新たな段階を迎えました過疎対策について、お伺いをいたします。 旧過疎法、つまり過疎地域振興特別措置法が期限切れになりますのを前にいたしまして、一昨年あたりからその存続を願う声が各方面から起こりまして、この岐阜県議会におかれましても、関係機関に意見書の提出等の議決が行われましたのを初め、執行部におかれましても活発な運動を展開してこられたのでございます。その結果、幸いにも本年三月、新過疎法とも言うべき過疎地域活性化特別措置法が議員立法によりまして成立をいたしました。まだ多くの問題を抱えております過疎地域に福音をもたらしたのでございます。本県におきましては、旧過疎法当時の過疎町村二十五のうち二十四の町村が引き続き指定をされ、新たに六町村が新規に過疎町村として公示をされました。合計三十の町村が新法の適用を受けることになったのであります。 新法はどのようにして過疎町村を決めたのか、少し触れてみたいと思います。旧法と比較いたしまして、財政力指数は旧法の〇・三七以下から〇・四四以下に引き上げられ、人口の減少率は、旧法は過去十五年間の国勢調査の人口の減少率を二〇%以上としておりましたのに対しまして、新法では、昭和三十五年の国勢調査から昭和六十年国勢調査までの二十五年間の人口の減少率を二五%以上としておるのであります。さらに新法では、これに加えて、人口減少率が二五%未満であっても、二〇%を超えておれば、しかも次の要件を満たしておれば過疎町村としたのであります。いずれかでございますが、すなわち六十五歳以上の高齢者人口が一六%以上であるか、あるいは十五歳以上三十歳未満の若者の人口が一六%以下である、このどちらかに該当すれば過疎町村になるわけであります。このように新法では、過去の財政力指数と人口減少率のみではなくして、過疎地の特徴とされる高齢者の人口、若者の人口の状況を、その要素に加えて過疎町村を決定しているのでございます。 ところで、御承知のように過疎町村に公示をされますと、国の補助率等の特例、過疎債の配分、税制上の優遇措置等が講ぜられるわけでありますが、なかんづく過疎債の配分は、過疎町村にとりまして最も魅力ある施策ではないかと思います。後年度に発生する過疎債の元利償還金の七〇%について、地方交付税に算入して交付されるわけでありまして、見方を変えますと、過疎債対象の事業は、七割という高率の補助を受けて事業を実施したのと同じであると考えてもよいのではないかと思います。この過疎債の本県配分額は、旧法最後の年度でありました平成元年度は三十九億一千四百万円に達しております。一過疎町村平均で一億五千七百万円にも達しておるわけでございます。 さて、問題は、過疎町村とその近隣の非過疎町村との格差の問題がございます。法律によって一定の基準を設けて指定をするわけでございますから、どこかで線を引かなければならないということはやむを得ないことであろうと思います。しかしながら、五年ごとの国勢調査の人口で、しかもわずかな数値の差で過疎町村の枠から外れた町村にとりましては、過疎法が行政各般にわたって手厚い制度でありますだけに、その町村にとりましては、心情的にまことに残念な思いをしていらっしゃるのではなかろうかと思うのであります。 そこで、今回新しい過疎町村決定の基礎となります昭和六十年国勢調査をもとに、過疎町村とこれに続く環境のよく似ている準過疎町村について、少し調べてみました。お手元のこの資料でございます。   (資料を示す) まず、今回の算定に用いられた昭和三十五年国調から六十年国調までの人口減少率が二五%以上の町村は、この資料の揖斐郡藤橋村の減少率約八〇%を筆頭に、加茂郡白川町の減少率二五%まで二十七町村であります。このうち益田郡金山町は、この表にありますように、人口減少率は二六・六%でありますけれども、この町は財政力指数が〇・五五九で、法律の要件であります〇・四四を上回っておりますので除外をされております。残りの二十六町村は、財政力指数がいずれも〇・四四以下であるために、過疎町村として法の適用を受けたのであります。 次に、人口減少率が二〇%以上二五%未満の町村について調べてみますと、この表にもございますが、このゾーンには六つの町村が該当しているのでありますが、まず恵那郡川上村、武儀郡武儀町、この二町村は、六十五歳以上の人口がそれぞれ法に示す要件の一六%を超えておりますし、郡上郡の高鷲村は若者の比率が一六%以下、恵那郡岩村町は老齢人口、若者人口、ともに法の基準を満たしておりますし、財政力指数も低いために、以上四町村は新過疎法の適用を受けることになったのでございます。そして、このゾーンで残る二町、大野郡久々野町、山県郡美山町は、人口の減少率は二〇%以上でありますけれども、六十五歳以上の高齢者人口がわずか一%程度でございますけれども満たないために、これはお年寄りの数にいたしてみますと久々野町で五十人ぐらい、美山町で百人ぐらいだと思いますが、そのために新法の適用を受けることができなかったのでございます。ただし、久々野町は旧法による過疎の町でありましたので、経過措置によりまして平成六年度までは法の一部の適用を受けることができるわけでございます。 さらに、もう少し人口減少率の低いところを見てみます。例えば、人口減少率が二〇%未満、一五%以上のゾーンについても調べてみました。この表の下の方でございますけれども、このゾーンはもちろん減少率が低いので過疎の町村にはなり得ませんけれども、このゾーンには六つの町村がやはりあります。このうち加子母村、上石津町、八幡町、七宗町、以上四町村はいずれも高齢者人口が一六%以上、若者人口が一六%以下でありますし、他の二町の八百津町は高齢者人口が一六%以上、山岡町は若者の人口が一六%以下となっております。いずれも過疎特有の高齢者が多くて、若者が少ないという特徴をはっきりと示しているわけでございます。 過疎対策は、これまで昭和四十五年の過疎地域対策緊急措置法に始まりまして、五十五年の過疎地域振興特別措置法、そして今回の過疎地域活性化特別措置法へと改善を加えながら、三度にわたって対策が講ぜられてまいったのでございます。特に今回、過疎地域の基幹的な市町村道の整備を県が代行して行います、いわゆる過疎代行の事業につきまして、従来行われていた過疎町村の区域内のみではなくして、その他の町村の地域まで拡大をして整備が行われることになったことは大きな成果であると思いますし、このことは、過疎対策は今や単に一つの過疎町村のみの対策ではなくして、その周辺地域の対策と合わせて、広域的な視野に立った対策でなければならないということを認識した上でのこの制度改正ではなかろうかと思うのでございます。 一方、本県におきましても、市町村の振興対策として市町村の振興補助金、振興貸付金等の制度があります。本年度は、振興補助金十一億五千万円、振興貸付金二十八億円が予算化をされているのでありますが、従来から市町村の強い要望等にこたえまして、対象事業の見直しや予算額の拡大に努力しておられるところでございます。山間僻地等への貸付金については、この制度の中で政府資金よりも低い利率で貸付をしておられるわけでございます。 しかしながら、この市町村振興貸付金は、制度創設当時、厳しい財政事情の中から、年年県の一般財源を投入いたしまして運営をしてきたのでありますが、昨今の状況を調べてみますと、平成元年度末の状況では、市町村への貸付金の残高は百三十六億円に達しております。一方、平成元年度中の県の方へ入ってくるお金、償還金は、元金相当額が二十五億五千万円、利子の相当額が六億九百万円、合計三十一億五千九百万円にも達しておるわけでございます。この額は、平成二年度の県の新規貸付金の予算額の二十八億円を大きく上回っているような状態にもなっておるわけでございます。 さて、ここで話をもとに戻しまして質問に入りたいと思いますが、今回、新しい過疎活性化法が成立をいたしまして、県下に三十の過疎町村が決まりました。しかしながら、さきにも触れましたように、その周辺には、先ほど具体的な町村名を挙げて申し上げましたけれども、相当数の過疎町村と同じような立地条件にありながら、わずかな数値の差で過疎町村にならなかったところもあるわけであります。過疎町村と、いわばこれら準過疎町村とも言うべき町村との間では、過疎法が国の制度によりまして非常に手厚い制度を講じているだけに、大きな格差が生ずる心配があるわけでございます。しかもこれから十年間、この状態は続くのでございます。 そこで、まず知事にお伺いをしたいと思いますが、その第一は、今回成立しました過疎地域活性化特別措置法について、どのようなお考えといいますか、どのような評価をしておられますか、お伺いをしたいと思います。さらに、過疎町村の周辺で、過疎町村に近い状況にありながら過疎町村ではない、いわば準過疎町村に対しまして、県として今後どのような振興対策をとっていかれますのか、その基本的なお考えをお伺いしたいと思います。 次に、総務部長にお尋ねをいたします。 今回の過疎法の成立で、国の過疎対策も三期目を迎えたわけでございます。従来の振興貸付金等にありました一部の僻地対策にとどまることなく、広域的な行政水準向上という見地からも、また過疎町村との制度上のギャップを少しでも少なくするという意味からも、準過疎町村の振興について、県としても既存制度の大幅な見直し、あるいは画期的な制度の創設を図るべき時期に来ていると思いますが、これに対しての御所見を承りたいと思うわけでございます。 過疎の問題はこれで終わりまして、次に、最近の地方行財政の問題についてお伺いをいたしたいと思います。 平成二年度の都道府県の一般会計当初予算は、全国総額で四十兆円の大台に乗ったと言われております。また、予算の伸び率も三分の二以上の都府県が自治省策定の地方財政計画の伸び率七・〇%を上回り、三年連続の積極型となっているようであります。本県におきましても、平成二年度一般会計当初予算は、御承知のように六千十二億一千万円で、対前年当初比で八・一六%の伸びとなりました。平成元年度の当初予算が知事選の関係で骨格的予算でありましたので、単純な比較はできないかもしれませんが、地方財政計画の数値を上回っているのであります。このように、最近の地方財政の積極型を支えておりますのは、昨日も答弁がございましたように、地方税の好調と国税の伸びに伴いまして地方交付税も順調であるということがその原因であると思います。かつて地方財政が幾度も経験をした苦しい時代を思いますとき、大変今は恵まれた時代であるということが言えるのではないかと思うのであります。 本県におきましては、昨年梶原県政がスタートをいたしました。夢おこし県政を標榜して、県民の英知の結集と総参加を求めて、活力ある岐阜県づくりに取り組み始めておられます。そして、本年度の予算を名づけて「二十一世紀を目指した夢おこし助走予算」としていらっしゃるのであります。いよいよこれから夢おこし県政は、助走のスピードを上げまして、離陸をして、力強く上昇していかなければならない時期でもございます。飛行機でいえば燃料、つまり財源が最も必要なときが来るのでございます。加えて、中部圏には、本県にまつわる大きなプロジェクトが山積をしております。中部新国際空港、リニア中央新幹線、東海北陸、東海環状、中部縦貫等の各自動車道などでございますが、これらの大規模プロジェクトに関連する県の財政支出も、これから飛躍的に増大をしてくるのではなかろうかと予想されます。加えまして、高齢化社会への対応も急ぐ必要がございます。 このような環境の中で、地方自治、とりわけ地方の立場で自治省あたりも昨今非常に努力をしておられるわけでございますけれども、現行の地方自治制度のもとで真に潤沢な財源を確保することは、そう簡単なことではないようにも思います。本県も努力しておられますように、優良企業を積極的に育成をしたり誘致をしたりして、健全収入の増加を図ることが必要でありましょうし、また各種制度の改善によって、地方の自主財源を確保するということも必要であろうと思います。 そこで、以下数点にわたりまして副知事にお伺いをしたいと存じます。 まず、先ほど小山議員もお触れになりましたが、昨年の十二月、国の臨時行政改革推進審議会、これは通称新行革審と言います。大槻文平氏が会長でございますが、その新行革審が国と地方の関係等に関する答申というものを決定いたしまして、海部総理に提出をしたのであります。その概要につきましては、当時新聞でも報道され、皆さん方も御記憶の方もあろうと思いますが、私もその中身について概略読ませていただきましたが、行財政各方面にわたってかなり広範囲の諸問題について答申が行われております。二、三の例を挙げますと、国から県、県から市町村への権限の委譲の問題、それから広域行政を推進するという見地から都道府県連合というのがあります。あるいは地域中核都市制度、こういった制度の導入もうたっております。それからまた、国民負担の増大を抑制するために、国、地方を通じて財政規模を抑制するというようなこともうたわれております。それから地方自治体間の財政格差を是正する問題、こういうような問題等々、かなり多岐にわたって取り上げられております。 この答申を受けて国の関係機関が今後どのような対応をするかということは、本県の将来にとりましても極めて影響が大きい問題であると思うのであります。答申が出ましてからちょうど半年たちました。平成三年度の国の予算の要求作業が各省庁で進められている昨今でございます。そこで、この問題につきまして、自治省ではどのような方向あるいは姿勢で今臨まれておりますのか、まずその状況について、最近の状況をお聞かせいただきたいと思います。 次に、去る三月議会において猫田議員の代表質問にもございましたし、昨日近松議員も質問をされましたが、投資的経費に対する国庫補助負担率の引き下げの問題、これを私もう一遍取り上げさせていただきますが、昭和六十年度から始まりましたこの取り扱いにつきましては、暫定カットであるとはいいながら、三月議会で知事からの御答弁にもありましたように、平成二年度で百五十五億円にも達するのでありまして、本県にとりまして決して少ない額ではないと思うのであります。もちろん、これに対しまして臨時財政特例対策債等で全額措置をされまして、後年度においては、その元利償還金は地方交付税で補てんをされるということになっておるとのことでございますが、この額が、国の構成特別会計の通常のルールによる地方交付税に上乗せをして交付されることになっているのかどうかという問題、これを承りたいと思うのでありますが、もしこれが上乗せがなければ、必然的に従来の交付税を食い込むということにもなります。大蔵、自治両省間で何らかの取り決めがなされているでありましょうけれども、そのことについて御答弁をいただきたい。どういうことで取り決めがなされているかということについて御答弁をいただきたい、このように思う次第でございます。 次に、最近、東京を中心とする首都圏への一極集中が問題になっております。各種の施策が進められておりますけれども、私は、地方自治体の一般財源の収入面においても、やっぱり東京への集中傾向が強いように思うのであります。このことについて、私は、都道府県の決算の状況をちょっと調べてみました。その数値の中で予算の大宗を占めております一般財源、しかもその中の税収と地方交付税について調べてみたわけでございます。これはその中から、昭和四十五年と昭和五十五年の決算と、直近の決算の昭和六十三年度の決算を比較してみたわけでございます。東京都は交付税の不交付団体でございますから税収だけでありますが、他の道府県は、税収プラス地方交付税、この合計額で比較をしたわけでございます。昭和四十五年を一〇〇といたしますと、昭和六十三年度決算は東京が七七〇、と申しますのは、七・七倍になっておるんです。七七〇に対しましてその他の道府県は六五二、うち本県は六六五であります。東京都が一〇〇ポイントほど上回っているのであります。また、この傾向は近年特に強いように思うわけでございます。そこで今度は、昭和五十五年度の決算を一〇〇といたしますと、昭和六十三年度は東京都が二二二、二・二二倍ですね。それに対しまして他の道府県は一六五、うち本県は一六一でありまして、東京都との格差は一層拡大をしているように思うのであります。新行革審の答申の中で、自治体間の財政格差の是正がうたわれておりますのも、このことかと思うわけでございます。まあ東京都を何も責めるわけではございませんけれども、こういう状況にあるわけでございます。 このような傾向の中で、昨年度から税の問題で、二つの都道府県に事業所を持つ企業の法人事業税の分割基準のうち、従業員数による基準が二十年ぶりに改正をされました。従業員一人を一・五人で計算をするようになったのであります。これは工場のロボット化やオートメ化が進みまして、当然の改正であると思いますけれども、この改正の結果が本県にどの程度、これはプラスであると思いますけれども、どの程度の影響を与えているのか、平成元年度の見込みの額についてお聞かせをいただきたいと思います。また同時に、時代の変化に目を向けまして、今後とも各県協力して制度改正には機敏に取り組んでいただきたいなということを思うわけでございますが、御所見を承りたいと存じます。 次に、地方財政の今後の動向についてお尋ねをいたします。 先ほども申し上げましたように、この春以来、平成二年度の地方自治体の当初予算が発表されるに及びまして、新聞各社はおおむね地方財政は好調であると報じているのでありますが、またその反面、こういう記事もありました。「税収の支えによる地方財政の好調という現状からして、いずれ国民負担の上昇を抑制するため、財政規模の抑制や地方交付税総額の圧縮が課題として上がってくるであろう」、こういうことも書いておるわけでございます。そして、私が最も関心を持ちましたのは、先ほどの新行革審の答申の中でこういうことを述べております。「中長期的に国民負担の増大を抑制するため、適度な経済成長率が維持されていることを前提に、地方財政計画の歳出規模の伸び率は名目成長率以下とする」、こういうふうに述べているのであります。地方財政が好調と言われている中で、既にこうした動きも始まっているのであります。 首都圏への一極集中を排除するため、全国各方面でふるさと創生事業や、村おこし、町おこし、こういうことが進められております。特に本県では、夢おこしを県政推進の中心に据えて頑張っているわけでありますが、今後これに関連する各種の事業が財政難のために思うように進展しないというような事態だけは、どうしてもこれは避ける必要があると思うのであります。このような状況の中で、今後地方財政の推移について、どのような見解をお持ちでしょうか、また、どのように対処していかれますのか、お伺いをする次第でございます。 以上、地方財政等に関連する問題について数点お伺いいたしましたが、これらの問題については、前自治省の行政課長でもあり、自治省に太いパイプを持っておられます秋本副知事の御所見を承りたいと存じます。 最後に、農政部長にお伺いをいたします。 戦後四十五年、敗戦後の極度の混乱から我が国は目覚ましい発展を遂げ、今日の姿になっているわけでありますが、その過程の中で、農政の分野におきましても幾多の歴史的な改革が行われてまいりました。その中で特筆すべき大改革が、戦後間もなく始まりました農地改革ではなかったかと思います。この大改革は、本県におきましても当時の農地面積の三七%、約三万一千四百ヘクタールが耕作する農民に開放され、さらに開拓のため九千ヘクタールに及ぶ未懇地の買収も並行して行われました。まさに歴史的な大改革であったのであります。そして、この改革が当時の深刻な食糧事情の中で、増産に向けて大きな役割を果たすと同時に、農村の民主化促進にも寄与したと言われているのであります。 私事ではありますけれども、私も県職員になりたての当時、この仕事に取り組んだ経験も持っておりますが、当時は県庁の組織の中に農地部がありました。農地課もあったわけでございます。当時の農地課は、課員が八十人を超える大世帯でありましたし、自作農創設特別措置法などの国内法のほかに、当時は連合国の占領下でありましたためにポツダム政令、こういうものも発布をされまして、そしてこの大事業が比較的短期間に行われたのでございます。この大改革の後、既に四十年が経過をいたしました。当時農地課に勤務をしていた一番若い職員、この職員もことしの三月で全部退職をしたわけでございます。昨今、いろんな方から当時のことを聞かれまして農政部に行きましても、既に資料のないもの、あるいはありましても書庫の奥深く入っているもの、そういう状態であります。 そこで、私は、このような歴史的な大改革でありました農地改革について、資料が散逸をしないうちにこれをまとめて、例えば岐阜県の農地改革史とでも名づけて、これを後世に残すべきではないかと思うのでございます。聞くところによりますと、既に他府県においても三十七府県において農地改革史が編さんをされているように聞いております。幸い本県においても、最近農政部内で検討が始められたと聞き及んでおりますが、農政部内では今どのような対応がなされつつありますのか、農政部長にお伺いをいたしまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。    (拍手) ○議長(河村成勝君) 知事 梶原 拓君。    〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 過疎地域活性化特別措置法につきまして、お答え申し上げます。 新しい法律は、人口減少という要件のほかに、高齢者と若者の人口動向という要素を加えまして、対象地域特定いたしまして、その地域の活性化のために総合的かつ計画的な対策を講じようというものでございます。具体策といたしまして、過疎対策事業債につきましてはその適用範囲の拡大をいたしておりますし、基幹道路の代行制度の拡充をしておる、高齢化に対応した補助制度の創設をしておる等々見るべきものがあると、大いに評価をしているところでございます。 一方では、議員御指摘のとおり、実態は同じような条件にありながら、この新しい法律の恩恵を受けられないという町村があるというのも事実でございます。こういうところに対しましては、過疎債を初めといたしまして、今申し上げましたような制度を活用できないと、こういうような問題もございます。旧法の場合にも同じようなことがあったわけでございますが、従来から、やはり県土の均衡ある発展を図る必要があるということで、こうしたいわゆる準過疎町村に対しましては、従来から市町村振興補助金の中で特別補助制度を設けまして助成をしておる、また、市町村振興貸付金の中でも山間へき地市町村貸付制度を設けまして、財政的な援助を講じてきていると、こういうような事情でございます。 今後、新法の施行下でどうするかということでございますが、これら制度の見直しを行いますとともに、地域振興に関する各種施策を総合的に活用する、場合によっては集中的に活用するということによりまして、御指摘のような準過疎町村の活性化を図るように努力してまいりたいと考えております。 ○議長(河村成勝君) 副知事 秋本敏文君。    〔副知事 秋本敏文君登壇〕 ◎副知事(秋本敏文君) 新行革審、臨時行政改革推進審議会の答申に関連をいたしました地方行財政問題につきまして、お答えを申し上げます。 まず最初に、この答申に対する国の対応でございますけれども、答申を受けまして、政府におかれましては、昨年十二月二十九日、国と地方の関係等に関する改革推進要綱を閣議決定をいたしまして、答申を最大限に尊重することを明らかにいたしますとともに、その実施方針を定めておられます。自治省も政府の一員でございますから、自治省におかれましても、当然この閣議決定に盛り込まれました事項について、その実現に努力をしていくということであろうと存じます。 答申のございましたもののうち、地方への権限委譲につきましては、公有水面埋立免許の国の認可対象範囲の縮小、あるいは特別養護老人ホームの入所措置の町村への委譲のように、既に実施をされているものもございます。また地域中核都市制度、地方公共団体の連合制度といったような地方制度の基本にかかわる問題につきましては、内閣総理大臣の諮問機関でございます地方制度調査会の小委員会において審議が開始をされたというようにうかがっております。権限委譲につきましては、今後答申に沿ってさらに推進されていくものと存じますけれども、山田議員も御存じのように、この問題は長い間の懸案でございまして、これまでにも徐々に実施をされておりますものの、地方公共団体側からの見方としては、いまだ不十分というふうに見られているわけでございます。今後とも地方自治確立という観点に立ちまして、粘り強い努力が必要であると考えられます。 次に、国庫補助負担率のカット分に対して臨時財政特例債の発行が許可され、将来この元利償還費について交付税で措置がされるということは、将来の交付税総額の削減につながるのではないかという、大変専門的な御指摘がございました。この臨時財政特例債の元利償還費につきましては、昭和六十二年度の引き下げ分につきましては全額、昭和六十一年度引き下げ分のうち直轄分につきましては全額、補助分については五〇%、それぞれ国の一般会計から交付税特別会計へ繰り入れられるなどの将来の措置が定められております。しかし、今申しましたように全額措置ということにはなっておらない部分もございますし、このような措置が講ぜられましても、なお地方財政全体として財源不足が生ずるという事態が生ずることはないのかといったような御指摘もあろうかと思います。そのようなことが仮にあるとしますれば、その場合は、地方財政の運営に支障を生じないような適切な措置が講ぜられるべきであるというふうに考えます。いずれにしましても、国庫補助負担率のカットの問題は、この措置が平成二年度までの暫定措置として行われたものでございます。国と地方の信頼関係を損なわないという意味からも、完全復元を求めまして、全国知事会、中部圏知事会と歩調を合わせまして、国に要望してまいりたいと存じます。 次に、地方団体間の財政の格差に関連して御質問がございました。御指摘の中にございました法人事業税の分割基準の見直しにつきましては、本県の場合、元年度分としましては、約四億六千万円の増収が見込まれるところでございます。平年度化いたしますと、これがさらに増加するということになってまいります。自治省におきましては、省内に事業税研究会を設けまして、引き続き分割基準の見直しなどについて検討をしていくというふうに聞いておりますけれども、これは事業税のあり方をテーマとするものであろうと思いますけれども、団体間の財政格差にも関連をしてまいりますので、そのような意味合いからも注目をしてまいりたいと考えております。私どもといたしましては、先ほど御指摘もございましたように、山積する財政需要に対処するためには、地方財政全体としての財源確保はもとよりでございますけれども、富裕団体も含めて地方財政全体としての財源があればそれでいいというものではなくて、やはりそれぞれの団体において必要な財源が確保される必要がございますので、そのような趣旨で適切な地方財政対策が講ぜられるように対処してまいりたいと考えております。 最後に、全体の地方財政の規模と本県の財政運営についてでございますけれども、御指摘のございましたように、答申におきましては、地方財政計画の歳出規模の伸び率を名目成長率以下とすることを原則とするというふうにされておりますけれども、一般に財政規模はさまざまな要因によって決定をされるものでございますので、答申は一定の前提のもとでの中長期的な原則を述べたものとして受けとめるべきであろうと考えております。私どもにおきましても、今後とも経費全般の節減、合理化を進めることはもちろんでございますが、地域住民の福祉の充実、地域の特性を生かした魅力ある地域づくりといったような、先ほども御指摘もありましたようなそういった施策を進めてまいりますために、特に地方において事業費の確保が図られることが必要であると存じております。今後、夢おこし県政を進めてまいりますためにも、必要な事業費の確保に努力してまいる所存でございます。 いずれも長い間の御経験に裏づけられました貴重な御指摘をいただいたわけでございますけれども、国と地方の関係など地方行財政制度上の問題につきましては、今後とも地方自治確立の観点から、地方公共団体が一体となって取り組む努力が必要と存じます。今後とも御指導、御支援を賜りますようにお願い申し上げます。 ○議長(河村成勝君) 総務部長 永倉八郎君。    〔総務部長 永倉八郎君登壇〕 ◎総務部長(永倉八郎君) いわゆる準過疎町村に対して格差の生じないような対策を講ずるべきではないかとの御指摘に対しまして、お答えをしていきたいと思います。 準過疎町村に対する県単独の財政支援措置といたしましては、現在、市町村振興貸付金及び市町村振興補助金の中で制度化しております。まず、市町村振興貸付金につきましては、財政力が弱いにもかかわらず、過疎地域及び中部圏都市開発区域のいずれにも属さず、特例的財政措置の恩恵から取り残されている市町村に対し、貸付利率の低い特別の貸付枠を山間へき地市町村貸付金として設定するとともに、充当率も引き上げておるところであります。また市町村振興補助金につきましても、いわゆる過疎法による指定要件のうち、人口減少率を五%緩和すれば過疎指定されることとなる町村を準過疎町村と位置づけ、通常の市町村では対象とされない市町村道及び農林道の整備を補助対象とすることによりまして、過疎町村と準過疎町村にまたがる広域的な道路づくりを図ることといたしております。 なお、今回の新過疎法による指定要件の変更に伴いまして、この準過疎町村の要件につきましても見直し、検討を行っておりますが、現在一村となっております準過疎町村につきまして、先ほど御指摘のございました、わずかなところで新過疎法の指定から漏れたと御指摘がありましたような町村も、準過疎町村となるよう十分検討してまいりたいと考えております。 このように県土の均衡ある発展を図るという見地に基づき、準過疎町村の振興策を講じているところでありますので、これらを十分活用し、さらにはふるさと創生関係など国の制度も活用していただきたいと考えております。いずれにいたしましても、準過疎町村については、その実情を考えながら、県の支援等その地域振興対策のあり方について検討してまいりたいと考えております。 ○議長(河村成勝君) 農政部長 名知和男君。    〔農政部長 名知和男君登壇〕 ◎農政部長(名知和男君) 農地改革に伴う資料の取りまとめについてお答えします。 議員から御指摘がありましたように、歴史的改革でありました農地改革から四十年余を経過し、年号も昭和から平成に変わりました。この機会に激動の昭和時代の農政を振り返り、記録にとどめることは重要なことと考えております。戦後の食糧難の時代を乗り越え、幾多の変革を経た今日、昭和の農政の中で農地改革は大きなウエートを占めていると考えます。したがいまして、農地改革に重点を置いた農政史について検討を進めておりますので、御理解を賜りたいと思います。 ○議長(河村成勝君) 一番 不破照子君。    〔一番 不破照子君登壇〕(拍手) ◆一番(不破照子君) 本日も最後になりました。私は三点ほどについて質問したいと思います。皆さんお疲れでしょうけれども、いましばらくおつき合いいただきますことをお願い申し上げまして、質問に入らせていただきたいと思います。 「ごみ戦争の時代が来る」、こんな恐ろしい言葉で表現されるようになった昨今のごみ問題について、私は考えてみたいと思います。 ごみは汚いもの、邪魔なものとして、今まで余り触れられてはまいりませんでした。しかし、ごみと言われる廃棄物は、あらゆる人間活動から生じるものであり、私たちが生活していく上で助けられたり、利用したあかしの産物です。つまり私たち自身が生み出したものでありますから、ごみと人間は共存・連帯の関係にあり、その扱いについての責任も重大であると言えると思います。 近年とみに紙を大量消費する0A機器の増加、使い捨て容器のはんらん、過剰包装など、私たちの周りにはごみの量を増加させる要素があふれており、今後ともこの傾向は続いていくものと予測されます。私たちは、消費は美徳、ごみは文化のバロメーターなどという言葉にあおられ、経済成長とともに豊富な物の中で暮らしをつくり上げてきてしまいました。次々と新しい家電製品もつくられ、修理して使うよりも新しく買いかえた方が安くつくような生産、販売システム、また、いつの間にか使い捨ての生活にもならされてしまいました。私が子育てしているころにはなかった紙おむつ、現在では百五十五万人の赤ちゃんが使用しているということです。便利になったその分、ごみの量やごみの質をも変えてしまい、その上大切な資源をも食いつぶし、地球までも汚してしまうという大変な問題を抱えることになりました。 昭和六十三年度における全国のごみの排出量は四千八百二十三万トン、これは東京ドーム約百三十杯分に相当するそうです。六十一年より毎年三ないし四%の割合で急増しており、平成元年度においては五千万トンを超えてしまったのではないかと思われます。岐阜県のごみの排出量は、六十三年度 七十一万五千トン、前年度増加率は〇・六%と全国平均を下回ってはおりますが、これは農山村部における自家処理が多いためであって、都市部の岐阜市にあっては、六十二年度までは毎年四%程度の伸びをしておりました。六十三年度は二・七%増、大垣市で約四%増と確実にふえつつあります。ちなみに家電製品の一年間の廃棄量は、全国でテレビが五百四十万台、冷蔵庫三百二十万台、洗濯機三百七十万台と莫大な数であり、これらがすべて廃棄物として処理されていくものかと思うと、本当に考えさせられてしまいます。 また一方、ごみ処理には多額の経費がかかります。昭和六十一年で全国で約一兆四百億円以上のお金がごみ処理のために使われたそうです。今後のごみに対しての解決策は、もう今までのような対処療法の清掃事業の努力だけではどうにもならなくなってきており、ごみの排出事業所や住民の協力が不可欠であり、ライフスタイルの変更をも含め、ごみの減量化に取り組むべきだと思います。ごみの減量化、再資源化は、地球的規模の環境保全問題とも大きくかかわってまいります。このごみ問題を資源の有効利用と保全を基本として、行政サイドの問題とするだけではなく、広く県民自身による問題としてとらえ、減量化や再資源化の運動へと広めていかなければなりません。 ごみの再資源化、その他ごみにまつわるいろいろなこんな話題がございます。古川町のごみの焼却熱による露天ぶろの開設、県紙業試験場の牛乳パックの再生による鮮度保持シートの開発、また知事さんにおかれましては、牛乳パックの再生紙による名刺を御使用とか聞きました。私自身も再生紙の名刺を最近つくったところでございます。滋賀県では、再生が難しいと言われているプラスチックの再生利用によるプランターの開発、資源回収に奨励金を出す自治体、廃棄物発電で石油代替エネルギーの開発に取り組む総合エネルギー調査会、問題になりましたすぐやる課を全国に先駆けて設置した松戸市では、今度は「ごみを減らす課」をスタートさせたということです。また家庭科の授業の中に、ごみについての課題を取り入れた京都の小学校もあると聞きました。このように各方面でいろいろと取り組んでいても、今日も、また明日も、次から次へとごみは出てきますし、その処分に各自治体は頭を痛めていることと思います。 ごみは単なるごみだけではなく、何度も言いますけれども、地球上の資源と大変大きくかかわっております。節約の心を持たなくてはなりません。しかし、一九七九年のあのオイルショックのときのことを、もう私たちは忘れてしまったのでしょうか。一時はやっておりましたちり紙交換の声を聞くのも、本当に少なくなりました。真っ昼間でも県庁やオフィスでは電灯がこうこうとついております。車も何のためらいもなく走り去っていき、テレビの深夜放送も各社が争って放送しているという現状です。私が最も目につくのは、最近ひどくなりつつある過剰包装、過大包装です。スーパーへ行けば、きれいに洗われた野菜や果物がトレー―お皿ですね―に乗せられ、ラップされて店頭に並んでおります。袋に入ったものでも、さらにトレーに乗せてというようなケースが多々あります。それをポリ袋に入れて持ち帰ってくる。贈答商品等にあっては、商品の二倍から三倍の大きさにかさ上げされ、見ばえよく何重にも包装されております。こうしたものはもっと節約されていいのであり、ごみ減少運動の敵とも言えると思います。そこで、県民運動として、「過剰包装要らない、買わない運動」を展開してはいかがでしょう。限りある資源を大切にし、子孫へきれいな環境を残していくために、私たちがまず今からすぐにできる小さなことから大きな運動へと進めていくべきだと思い、この運動を提言したいと思います。 また、これからますますふえてくる使い捨て製品については、企業には節度ある社会づくりという視点から、生産、流通段階での見直しを、消費者には使い方の見直しをするよう、県としても各方面に働きかけ、監視をしていくべきだと思います。今、これらごみ問題は多くの課題を抱えていると思いますが、県のごみへの取り組み姿勢、ごみ減量対策についてのお考えを関係部長さんにお伺いしたいと思います。(発言する者あり)ありがとうございます。 次に、人事関係についてお伺いしたいと思います。 現在、岐阜県に中央省庁から十六名の方が来ていただいており、県勢発展のため日夜御尽力いただいております。こういうのを天下り人事と言うのだそうですが、こうした人事のあり方について、総務部長さんにお伺いしたいと存じます。 現代は、情報化、国際化の時代とも言われておりますし、中央との交流があるということは、行政面において何かと有利であるということは察することができます。だからといって、中央からの人数が本県では昭和五十七年に十一名、五十九年も十一名、六十一年には十三名、六十三年に十五名、本年においては十六名と徐々にふえていったり、永年にわたって主要な同一ポストが中央からの人事で占められているということに、私は疑問を感じます。特色ある岐阜県を県民自身の手と英知で築き上げていくために、中央の人事を一方的に受け入れるのではなく、県職員の登用を図っていただきたいものです。仮に中央の人事を受ける場合でも、県から中央の各省庁へ同等の人事交流をしていけないものかと思います。こうした点をも含め、県における中央人事のガイドラインをお聞かせいただきたいと思います。 続きまして、議員定数是正についての質問をしていきたいと思います。 来年の統一地方選を控え、関市、各務原市において県議会議員定数の是正を求める動きが起きてきているということは、周知のことと存じます。地域住民にとって、議員は最も身近な代表者であります。住民の県政参加の意欲を尊重する上で、選挙区間での一票の重みにできるだけ均衡をとり、投票価値の平等性を貫くことはまことに大切なことであると思い、私はここに県議会議員の定数並びに選挙区の見直しについて知事さんにお尋ねします。 過去、定数是正は、昭和五十年、五十三年、六十年とそれぞれ行われてまいりました。しかし、これは逆転現象を避け、他選挙区に影響を与えず最小限の是正をすることで辛うじて不公平を正そうとした、現実的で一時逃れの消極的な方法だったと思われます。ですから、五年たった今、また是正の問題が起きてまいりました。議員定数にあっては、議員と有権者の双方から見て、代表機能の安定性の見地からいっても、短期間に改正を繰り返すことは好ましいこととは言えません。この際、党利党略や個々の私欲を捨て、憲法、地方自治法、公職選挙法等の趣旨に沿った理想的な見直しをすべきです。 まず、一票の重みの平等性、選挙区における議員一人当たり人口の格差ですが、兵庫県議会議員選挙における選挙無効請求訴訟に対する最高裁判所判決、これは平成元年十二月二十一日実施のこの中で、「選挙区の人口と配分された定数との比率の平等が最も重要かつ基本的基準とされる都道府県議会の議員の選挙において、地域間の均衡を図るため、通常考慮し得る諸般の要素をしんしゃくしても、なお一般的に合理性を有する必要がある」と記しており、必ずしも三倍以内とはなっておりませんが、本県においても、定数の見直し地区があることは確かでしょう。 地方自治法第九十条第一項の定数規定で計算しますと、本県の総定数は、六十年国調人口で六十名、それを定数条例で現在の五十一名に削減しています。この削減数は全国でもトップレベルにあります。一方、選挙区につきましては、公職選挙法第十五条で、「選挙区の範囲は郡市による」と規定されています。しかし、本県には、吉城郡東・西、恵那郡南・北と単一選挙区が分割されて誕生し、現在もそのままになっております。この二郡の選挙区については、公職選挙法第十五条第二項に抵触するとし、六十年の条例改正のときにこの県議会でも指摘されましたが、公選法第二百七十一条の第二項の「当分の間」という経過規定によって問題はないとされ、そのままになってきております。しかし、現在は当時とはすべての事情も変わってきておりますので、これら選挙区をも含めて、慎重かつ公正に議論されるべきであると思います。 なお、選挙区での一名区が、本県では三十一選挙区中二十一選挙区もあり、六七%を占めています。私は、近県の状況を調べてみました。愛知県が五一%、静岡県四二%、三重県四二%、長野県が四八%、福井県が三六%、石川県七%、富山県一三%となっており、五〇%をはるかに超えている岐阜県のこの現状は、死に票が余りにも多く、少数意見が全く切り捨てられているということになります。この点についても考慮されるべきでしょう。本来、こうした議員定数や選挙区等については、学識経験者及び専門家等による第三者機関で公正に審議されるべきものであると思います。公正な判断のもとに、県民すべての人が納得できる結論を出していただくため、早急に審議会の設置を要望するとともに、知事さんの御意向をお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。    (拍手) ○議長(河村成勝君) 知事 梶原 拓君。    〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 県議会議員の定数並びに選挙区の問題についてのお尋ねでございます。 この問題は、長い県政の歴史の中で地域間の均衡を重点に考慮しながら慎重に検討され、逐次段階的に今日まで積み重ねてこられたものでございます。また、この問題は、議会活動を左右するものであり、かつ議会のあり方に重大な関係をする事柄でもございます。議会におかれましても御検討願い、議会側の御意向を十分承りながら慎重に対処してまいりたいと存じます。 ○議長(河村成勝君) 総務部長 永倉八郎君。    〔総務部長 永倉八郎君登壇〕 ◎総務部長(永倉八郎君) 国との人事交流についてお答えいたします。 従来から、国からの職員の受け入れについては、幅広い視野に立った有能な人材を求め、必要最小限度の人事交流を続けてきているところであります。今後もその姿勢を持ち続け、必要最小限にとどめておきたいと、このように考えております。また、国からの職員が国に戻った際には、本県とのパイプ役を十分果たしてもらっておりまして、こういった面での人事交流のメリットも生かしていきたいと考えております。なお、県の職員につきましても、中央省庁、他県、それから民間団体等へ派遣をいたしまして、積極的に人事交流を行っているところでありますので、御理解賜りたいと思います。 ○議長(河村成勝君) 衛生環境部長 井口恒男君。    〔衛生環境部長 井口恒男君登壇〕 ◎衛生環境部長(井口恒男君) ごみ問題につきましてお答えいたします。 ごみの減量化、再資源化は、今や大きな社会問題であります。県といたしましても、日ごろから再利用、再資源化等につきまして、市町村を指導しているところでございます。 県下の廃棄物の再利用の状況でございますけれども、昭和五十九年度に比べまして、昭和六十三年度におきましてはおよそ二倍の二万二千トンに達しておるところでございますが、これは全体のごみ量のおよそ三%であります。今後とも市町村に対しまして、分別収集の徹底のほか、国の補助対象ともなっておるわけでございますが、廃棄物再生利用総合施設とか、資源ごみの分別機能のあります粗大ごみ処理施設の整備促進を図るべく指導しておるところでございます。 御提案の過剰包装要らない運動やリサイクル運動等につきましては、従来から本県に岐阜県ものを大切にする運動推進会議というのがございまして、これを中心に展開されてきておるところでございますが、関係部局とも連携を図りながら、減量化、再資源化につきまして啓蒙活動を一層推進し、実践活動の効果がより上がるよう、市町村、関係団体、業界に対しまして、指導や要請をしてまいりたいと考えております。 さらに、本年三月、岐阜県環境保全推進本部を設置したところでございますが、当本部の中に庁内関係課で構成します廃棄物資源化研究会を設けておるところでございまして、資源化問題につきましては、この研究会で調査研究を行いながら、各種施策をすぐできるものからどんどんやっていきたいというようなことで、積極的に推進してまいりたいと考えております。          …………………………………………………… ○議長(河村成勝君) 本日はこれをもって散会いたします。 明日は午前十時までに御参集願います。 明日の日程は追って配布いたします。 △午後四時五十四分散会           ……………………………………………………...